大手チェーン調剤薬局の薬剤師さんに質問です。2018年度の調剤報酬改訂により、大手チェーンの薬局グループは『同一グループ…

Question

大手チェーン調剤薬局の薬剤師さんに質問です。2018年度の調剤報酬改訂により、大手チェーンの薬局グループは『同一グループ保険薬局の月処方箋受付回数が4万～40万枚』に該当する場合、調剤基本料3の、20点を算定することになりました。
さらに、40万枚を超えたなら調剤基本料は15点を算定します。
そこで、私はアイン薬局グループやイオンリテール、日本調剤などの店舗数が莫大となるメジャーな大手薬局は、必然的に調剤基本料3を算定するのだと理解しました。
しかし、アイン薬局、イオンリテール、日本調剤、クオール、ウェルシアなど片っ端から電話を掛けて確認したところいずれも『うちは、調剤基本料1です』との答えをいただきました。
なぜ、大手チェーンにも関わらず調剤基本料1を算定できているのでしょうか。私がなにか見落としているのでしょうか？
無知ですみませんが、解説お願いいたしますも

Answer 1

薬学部の予備校講師です｡

薬事関係法規は専門外ですが、現場で薬剤師もしているので簡単に
説明させていただきます。

調剤基本料３については、調剤基本料３が適用される場合について、
まず、同一グループ内の保険薬局の処方箋の合計が月4万回超～
40万回以下と、月40万回超で、点数が、異なり、20点(月4万回超～
40万回以下)、15点(月40万回超)となります。

そして、調剤基本料３が適用条件としては、上記の同一グループ内の
保険薬局の処方箋の合計だけでなく、集中率が、85％超なのか、
または、特定の保険医療機関と不動産の賃貸借関係が有ることが
条件になります。

ですので、質問者さんの問い合わせた調剤薬局については、集中率
が、85％を超えていなかったか、加えて、特定の保険医療機関と
不動産の賃貸借関係が無かったと推察されます。

ただし、どこかの大手調剤薬局チェーン(特定を避けるため、個別名称
については、記述しません)においては、2018年4月1日時点で、
同一グループ内の保険薬局の調剤基本料１と、調剤基本料３の割合
が半分ずつだったという話でしたので、根気強く探せば、調剤基本料３
の調剤薬局も有るかとは思われます。

最後に、一応の注意事項としては、大手調剤薬局チェーンについては、
経営上の方針から、地域支援体制加算、後発医薬品調剤体制加算、
かかりつけ薬剤師指導料を取得する傾向が有りますので、単純に
調剤基本料３が適用されることを以って、点数が下がるわけではない
ことを留意ください。

以下、詳細です。

調剤基本料
処方箋受付1回につき (妥結率50％以下などは所定単位50％減)

① 調剤基本料１ 41点
②～④以外、医療資源の少ない地域に所在する保険薬局

② 調剤基本料２ 25点
処方箋受付回数および集中率が、次のいずれかに該当
イ）月4,000回超 かつ 集中率70%超
ロ）月2,000回超 かつ 集中率85%超
ハ）特定の保険医療機関に係る処方箋が月4,000回超
※1.保険薬局と同一建物内の保険医療機関は合算
※2.同一グループの他の保険薬局で集中率が最も高い
保険医療機関が同一の場合は、当該処方箋受付回数を含む

③ 調剤基本料３
イ）同一グループ内の保険薬局の処方箋の合計が月4万回超～
40万回以下 かつ 集中率85％超または特定の保険医療機関と
不動産の賃貸借関係あり 20点
ロ）同一グループ内の処方箋の合計が月40万回超
かつ 集中率85％超または特定の保険医療機関と不動産の
賃貸借関係あり 15点

④特別調剤基本料 病院敷地内かつ集中率95％超、届出を行って
いない 10点

以上、参考になれば、どうぞ。