看護師はどの病院、地域でも必要なので、看護学生を支援する奨学制度がかなりたくさんあります。医師や薬剤師に比べて学費が少額で済み、奨学ローンも比較的楽に返せるため、看護学校(大学)から看護師という進路は人気が高いです(特に経済的に余裕がない人にとって)。 しかしながらここ数年で看護学校が乱立しているため、セカンドキャリアを目指す既卒者を含めても競争率はさほど高くならず、新設私学の看護学部や看護学校では中退者は少なくありません。2011年度の新卒入学者5.6万人に対し、新規資格取得者は4.9万人とあり、脱落者が10%以上いる計算になります。なので、きちんと卒業して国家試験に合格する人は(中退者に比べ相対的に)しっかりしている、というのは事実と言えるでしょう。 ただ、看護師の離職率は非常に高いです。就職したはいいが数年で離職してしまう人は少なくありません。そして離職した人が医療・看護業界以外で活躍している事例はかなりまれと思います。資格を有しながら看護師として就職していない潜在看護師は71万人にものぼるといわれています。 看護職員就業者数の推移 厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12601000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Shakaihoshoutantou/0000025363.pdf 看護学校以外に進学したらきちんとキャリアを積んでひとかどの人物になれたのでは、というのは確かにそうかもしれません。ですが、看護師というキャリアを選んだのは様々な事情があったかもしれないわけで、誉め言葉のつもりなのでしょうが、言われた当人が好意的に受け取ってくれるとは限らないと思います。 はたから見ていると、卒前教育(学校)はともかく現場で看護師を育成する仕組み(卒後教育)にはかなりの問題があると思います。人手が足りないが故のサービス残業、パワハラ(これは看護部内部の問題でしょう)、セクハラ(こちらは主に看護師以外の職種の男性が加害者で、女性看護師は被害者でしょう)、などが離職の大きな理由になっていると思います。女性の労働環境がよろしくないことは看護業界に限らないでしょうが、女性がほとんどの業界であるがゆえに問題がより大きくなっている気がします。 70万人もの有資格者が生かされていないのは社会の損失です。 国や地方自治体が投資(獲得型奨学金の提供)もしているわけで、投資を受けた人達がやめられてしまったのでは投資の回収効率が悪くなります。 一朝一夕にはいかないでしょうが、労働環境の改善、育成制度の確立を望みたいところです。
他に就職できても看護師になりたったんでしょうから個人の自由だと思います。
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