私立高校非常勤講師の採用期間について教えてください。大抵の学校は「採用期間１年(更新の可能性あり)」と募集要項に書いてあ…

Question

私立高校非常勤講師の採用期間について教えてください。大抵の学校は「採用期間１年(更新の可能性あり)」と募集要項に書いてありますが、更新の回数制限が書いてない学校は、特に問題がなければ何年でも勤務可能なのでしょうか？
私は東京都立高校教諭として15年勤務しましたが、家庭の事情で一度退職し、子育ての一段落した３年前より私立高校非常勤講師として勤め始めました。勤務し始めて５月に契約書にサインする時に、その学校は４回までしか更新できないことを聞かされましたが、今更断るわけにもいきませんでした。もう年齢は50代ですので、次の勤務校には出来るだけ長く勤められる所を探したいと考えて、募集要項に更新回数の制限を書いていない学校に応募したのですが、面接の時に「更新の回数に制限がないですか？」などと質問してよいものか迷っています。このような質問をすると、かえって敬遠されてしまうでしょうか？私立高校非常勤講師として同じ学校に長く勤めている方も多いのでしょうか？それとも普通は数年で他校へ移るものなのでしょうか？学校にもよるのでしょうか？非常勤講師歴の長い方にアドバイスいただければありがたいです。ちなみに教科は英語です。

Answer 1

高校で講師をしている者です。（公立・私立ともに勤務経験があります。）

結論から言いますと、全国どの私立学校でも【最大で4回の更新、つまり最長5年間が限度です。】
また学校によっては「更新は2回まで（＝最長で3年間）」などと、上記よりも厳しい条件を設定しているところもあります。

その理由は、昨年の4月に「労働契約法」が改正されて、直接雇用の非正規職員が通算して5年を超えて勤務した場合、本人が希望すれば雇用する側は原則として無条件で正規職員に転換しなければならなくなったためです。（但し、公的機関の「非正規公務員」を除く。）

これに伴って、学校法人という”企業”である私立学校も改正した法律に従うことが求められることになり、非正規職員という雇用形態と法律との兼ね合いで更新回数または勤務期間に上限が設定され、同一の学校法人が運営する私立学校においては、非常勤講師または常勤講師という身分では長くても5年間しか教壇に立てなくなりました。

なお【法律上、講師の募集要項や契約書面に更新できる回数を書かなければならない義務や、雇用する側が更新できる回数を説明しなければならない義務は全くありません】から、学校側から何の説明がなくても問題ありませんし、今ごろになっていきなり「新年度の契約を更新しない（＝3月末でクビ）」と通知されても、通知が解雇より1ヶ月以上前であるため適法となり、我々講師の側はどうすることもできません。

あと大変失礼なことを申し上げますが、質問内容を拝見して、やはり公立高校の正規教員つまり公務員をされていたせいか、世間一般の雇用あるいは就職活動上の常識に疎い面が見られます。（特に”面接の時に「更新の回数に制限がないですか？」などと質問してよいものか迷っています”という記述には、それが如実にあらわれています。）

そもそも非常勤講師は一般でいう「アルバイト」の職種にあたるわけで、いわば「雇用の調整弁」です。私立学校においては、生徒数の増減やカリキュラムの変更にフレキシブルに対応できるように非常勤講師を雇用しているわけですから、何らかの原因で入学者数が例年より少なければ真っ先に非常勤講師の持ちコマ数が減らされたり、さらには特定の教科において学校全体で削減するコマ数が多ければ、その教科に限り非常勤講師の契約を更新せずに「雇い止め」にするのは当たり前だ、という認識はお持ちになっておいたほうがよいと思われます。

最後に、以上のような事情で、今後は私立学校の非常勤講師や常勤講師は数年で他校へ移るのが当たり前になるでしょう。ただ、他に収入源を持っている私のような人物や先生（あなた）のような事情がある場合は別として、若手は基本的に「教諭のイス」を目指しており、実力のある講師はそのまま教諭に登用される（このあたりは、公立学校の採用形態と大きく異なります）わけですから、「教諭志望」の講師で相応の年齢の者があちこち渡り歩いていると、人物面で問題視されるかも知れませんね。