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損失補償の範囲(行政書士試験平成23年問26)について。

損失補償の範囲(行政書士試験平成23年問26)について。消防法の規定に抵触してガソリンタンクを移転した場合の費用が、道路法70条の損失補償の対象にならないとの判例がありますが、判例が言っている「道路工事の施工によって警察規制に基づく損失がたまたま現実化するに至ったものにすぎない」というのはどういう意味ですか? ガソリンタンクの近くをたまたま道路が通るようになり、危険な状態になって移設しなければならなくなっても補償されないということですか? ガソリンタンクを先に設置したとき、設置者が、国道が近くを通ることなんか予期してなかったとしても費用は自己負担というのは可哀そうな気がしますが。

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回答(1件)

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    >道路工事の施工によって警察規制に基づく損失がたまたま現実化するに至ったものにすぎない 噛み砕いて説明すると、ガソリンタンクのような危険物の設置者は、周囲の人の危険にならないように、一定の範囲内に建物が建ったり、道路が開通すれば、その危険を除去するため(消防法の規制に従って)自費で危険物の移転をする義務を負っています。いつ、どんな建物が建つか、道路が開通するか、といった具体的な予見がなくても、危険物を設置した以上、将来の「状況に応じた危険状態回避義務」のようなものを設置した時から負っているということです。 ただ、周囲に何も建築物がなかったときは、その移転義務が表に出なかっただけで、やがて近くを道路が通るようになれば、消防法が規制する危険な状態となり、自費での移設義務が「現実化」したというだけです。つまり、設置者がもともと負っていた自費での移設義務なわけですから、損失補償の対象にはならないということになります。 こうした考え方を背景に、判例は、道路法70条の損失補償の対象について「道路工事の施工による土地の形状の変更を直接の原因として生じた隣接地の用益又は管理上の障害を除去するためにやむを得ない必要があってした前記工作物の新築、増築、修繕若しくは移転又は切土もしくは盛土の工事に起因する損失に限られる」と狭く解して、「道路工事の施工の結果、危険物保有者が工作物等の移転を余儀なくされ、これによって損失を被った」場合は、同条の補償の対象外としました。 >設置者が、国道が近くを通ることなんか予期してなかったとしても費用は自己負担というのは可哀そうな気がしますが。 危険物を設置保有する以上は、状況の変化に応じた移設等の義務を負うのはやむを得ないでしょう。もし、将来の移設を避けたいのなら、危険物を設置する場所の周辺の土地も当初から購入しておいたり、地役権を設定するなどして、建物が建たない様にするなどの防衛策を講じておくことになります。

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