どうしてプログラマーなどの仕事は人月計算なのでしょうか？

Question

どうしてプログラマーなどの仕事は人月計算なのでしょうか？

Answer 1

実際は、人・月の以前に、マンナワーといって、個人別の日々の生産活動時間＝人・日＝人工（にんく）を計測していきます。
そうして、月計を出してから、給料計算等をはじめ、様々な評価・分析を行うわけです。

プログラミングに限らず、デザインとか、設計とか、分筆とか、作曲とか・・・とにかく創造的な仕事というものは、工場労働のように、機械が主役の労働とは違います。
生身の人間による生産活動のみが、成果を生み出す種類の業種なのです。
私はこういう産業を、農業、工業に対して、『情業』と呼びたいと思いますが、学者先生ではないので、一般に、この造語が普及する可能性はないでしょう。。。
だとしても、情業は、工業生産とは全く違います(o_ _)ﾉ彡☆

すなわち、そういう業界で最も重要な資源は、人材であり、資本ではありません。
また、生産（商品）は、資本や機械を動かすことではなく、人間自身の活動によってのみ生み出されます。
工業生産では、たかが、金の動きにさえ、経理というシステムがあって、日々膨大な事務仕事を行っているわけですが、それは資本（＝金）が最も重要な生産資源であるからです。
しかし、情業では、資本よりも人材ですから、人材の活動を記録し分析するシステムが存在しなければなりません。
でなければ、まともな経営判断はできないし、具体的な経営方針も立てれません。
そういったことから、情業では、人材の活動時間を、日々計測しておくことが極めて重要なのです。

さて、工場労働であれば、一定の時間勤務していれば、それなりの成果があがります。人間は、機械の動きに合わせて補助的な活動を行うだけだからです。
機械の稼動開始時間に合わせて、みんなが一斉に出勤し、機械を止める時間に合わせて一斉に退勤する、というのが工場労働の大きな特性です。
ですから、工業生産の場合、タイムカードで、出退勤の時間さえ管理しておけば、生産性やその他の生産管理は、それで十分なのでした。
今でも、仕事とは、会社に行って、一定時間の拘束に耐えることだと認識している、頭の固い人間の方が多いのではないでしょうか？

しかし、情業＝創造的な仕事というものは、
①一定時間働いていれば、それなりの成果があがるというものではありません。
②また、必ずしもみんなが同じ場所（≒会社）で仕事しなければならないというものでもありません。
つまり、創造的な仕事というものは、勤務時間も、勤務場所も選びません。
この点だけでも、情業と工業とは、全く、性質が異なるのです。

ただ、残念ながら、ほとんどの人間、特に政治家とか指導者層、とりわけマスコミ関係者は、このことを全く認識していません。
それ故、人工計算≒人・月計算が、何故、必要なのかを、誰も教えてくれなかったわけですね。
だから、ここで、声を大にして宣言しておきます。
人間を主体に考える限り、『人工計算』は、金の計算よりも、はるかに重要なのです(o_ _)ﾉ彡☆

さらに付け加えておきますと、これら情業には、納期（締切）はありますが、日々の活動時間には何の制約も必要としません。
期限までに成果を納品しさえすれば、それまでの労働は、時間も場所も、完全に個人の自由に任せておいても良いのです。
というよりも、本人の自由にさせなければ、創造的な成果など得られるはずはないのです。
実際、そのような労務管理を行っている情業企業は枚挙に暇がありません。
優れた情業企業ほど、この自由度が高いわけですが、政府や阿呆マスコミは、それを制限することばかり考えています。
実際、『裁量労働』（知ってますか？）という制度がありますが、これは、自由勤務の矮小化された、法的枠組みにしか過ぎません。

ところで、情業においても、企業の生産物は、市場経済の中で取り引きされ、そのことによって、商品価値が確定していきます。
既に、ご承知の様に、その商品価値は、必ずしも、その生産にかけた労力に比例するものではありません。
同じグレードのプログラムを作成しても、プログラマーによっては、短期間でかつ高度な成果を生み出せるケースもあれば、何時間かけても仕上がらない、というケースもあります。
まさに、個々人の能力が、成果に直結するわけですが、組織としては、個々の人材の能力を、正確かつ公平に測って、給与なりの評価に結びつけなくてはなりません。
人材を、正確かつ公平に把握する手段の一部として、その個人の労働量に対して、どれほどの成果が生み出されたのかを、知るシステムが必要なわけですね。
その基本が、ご質問にある、人・月計算システムなのです<(_ _)>