「公権力の行使」という言葉は、行政法の中でも法律によって意味が異なるちょっと厄介な言葉です。 ①【国家賠償法での「公権力の行使」】 もっとも意味が広く、営造物の設置・管理作用と私人と対等の立場で行う契約などを除いた「全ての行政作用」です。 具体的には、許認可行為、許可の取り消し、裁決から代執行のような行政強制、法的拘束力のない行政指導、公立学校での教員の指導など、ほとんどの行政作用が入るとされています。 ②【行政事件訴訟法の「公権力の行使」】 行政事件訴訟法では、「処分その他の公権力の行使に当たる行為」という規定の仕方ですから、①の広い内容から、「処分=許可、認可などの直接国民の権利義務を形成したり確定する行政行為」が除かれます。さらに、何らかの強制力を伴い、処分に準じた行為という形で絞り込まれます。 そこで「公権力の行使」は、「処分」以外のもので処分に準じた一定の強制力のある行為・・・・・人の身体を拘束したり、財産を没収したりする事実行為、処分に近い性質をもった行政指導、輸入禁止物に該当する旨の税関長の通知行為、なとが含まれるとされます。これは、【行政手続法の「公権力の行使」】についても同様と考えて構いません。 ③【行政不服審査法の「公権力の行使」】 行政不服審査法では、人の身体を継続的に拘束するような行為が「処分」のほうへ含まれるという規定があります。なので、「公権力の行使」は、②の意味から、「継続的性質をもつ人の身体の拘束や物の留置(占有を奪って留めておくこと)」が除かれます。それ以外は②と同じです。 このように、法律によって意味が広くなったり狭くなったりしますから、試験対策上も理解しておく必要のある箇所です。
なるほど:6
行政書士試験に合格すると就職に役立つとか、登録して開業すれば将来にわたって生計を維持できるとお考えなら、ほとんど幻想です。
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