就職活動中です。システム構築という視点から見たＮＴＴデータとＮＴＴ-ＣＯＭの違い

Question

就職活動中です。システム構築という視点から見たＮＴＴデータとＮＴＴ-ＣＯＭの違いシステムインテグレータに興味があるのですが、ＮＴＴデータとＮＴＴコミュニケーション、両方とも企業にシステムを納めています。
ＮＴＴデータはシステムを作り、インフラを借りてシステムを構築。
ＮＴＴコミュニケーションはインフラを持った上で、システム作り、システムを構築。

で合ってますよね？

ＣＯＭでネットワーク系もやれるシステム構築屋さんという理由でコムを志望していたのですが、友人に別に借りればデータでもいいんじゃないと言われて、インフラ持ってる必要性ってなんだろうな？という疑問がずーーと解決しません。
（１）そもそもの違いを明確にできる方、お力を貸してください。
（２）また、インフラを持っているからこその強みってどうお考えですか？

Answer 1

職務遂行上、以前に少し研究したことがありました。必ずしも専門家ではないので的外れな部分もあるかもしれませんが、私なりの解釈ということでお読みいただければと思います。

（１）そもそもの違い
ＮＴＴコミュニケーションズ（以下ＮＴＴ－Ｃ）は元々は長距離通信網を詳細としたサービスを提供する会社でした。一方でＮＴＴデータ（以下ＮＴＴ－Ｄ）はＮＴＴのインフラを利用してその上にシステムを構築し、お客様に納めるシステムインテグレータです。当初はこのようにはっきりと商売の色分けがされていました。ところが数年前のマイライン戦争をきっかけにインフラの値段が大幅に下がり、インフラの販売だけではＮＴＴ－Ｃの商売が成り立たなくなることがはっきりしてきました。そこでＮＴＴ－Ｃは自らのインフラを使ってインテグレーションをビジネスとするようになりました。当然それまでインフラを販売する商売が大部分だったＮＴＴ－Ｃにはインテグレータのノウハウはありませんから、最初は自分達の持つインフラを中心に据えたネットワークインテグレータを志向し、それは現在においてもほぼ踏襲されています。もちろんここ２～３年はネットワークインテグレータだけではビジネスとして早晩成り立たないことがはっきりしてきたので、アプリケーションレベルでのインテグレーション、つまりシステムインテグレータを目指しています。
一方のＮＴＴ－Ｄは元々アプリケーションを含むシステムインテグレーションが本業であり、インフラについてはそのシステムを動かすための器と考えています。そのためネットワークインフラとして必ずしもＮＴＴのものだけではなくＫＤＤＩやソフトバンクのものを使うこともあると聞きました。
つまりＮＴＴ－Ｃはインフラオリエンテッド（インフラ中心主義）なインテグレータなのに対して、ＮＴＴ－Ｄはアプリケーションオリエンテッド（適用業務中心主義）のインテグレータです。

（２）インフラを持っているからこその強みとは
インフラを持つことには当然のようにメリット・デメリットがあります。
一番大きな強みは、インフラの仕様を自分達が商売をやり易いように拡張していけるということです。インフラに色々なオプションサービスを付加する場合、自分達の持ち物ですから、自分達の強みが発揮できるように味付けすることが出来ます。
もう１つ大きな強みは価格決定権があるということです。ＮＴＴ－Ｃ自身にとってインフラは埋没コストですから、他社にいくらで販売しようと自分達のコストには影響がありません。一方でそのインフラを借りる会社は、ＮＴＴ－Ｃからの仕入れ価格が上昇すればそれをお客様に転化せざるを得ません。つまりＮＴＴ－Ｃの価格戦略によっては競合他社に対して競争優位に立つことが自分の意思で可能なのです。
一方でインフラを持つがゆえの弱みもあります。一番大きな弱みはインフラの陳腐化です。テクノロジーの進歩によりネットワークのインフラは陳腐化していきます。サービスプロバイダーとしてのＮＴＴ－Ｃは競合他社に負けないように常にテクノロジーの更新を図らなくてはなりません。一方で古いインフラサービスも利益が出ないからと言って簡単に止めるわけはいきません。そのサービスを使っているお客様がいる限り、会社として誠意ある対応を求められます。
もう１つの弱みはインテグレータとして自分達のインフラの利用をまず考えるソリューションを提案せざるを得ないということです。お客様にとって他社のサービスの方が最適であっても、まずは自分達のサービスの利用を考えますし、勧めることになるのは自然の成り行きです。最適なパーツを組み合わせることが可能なＮＴＴ－Ｄに比べてインテグレータとしての弱点と言わざるを得ません。

インフラを持つというのは強みも弱みもありますし、インフラを持たないというのもまた強みも弱みもあるのです。