ええっとですね・・・租税法律主義っていう考え方があるんだよね。 これは租税を賦課徴収する場合には、必ず議会の制定した法律に基づかなければならないとする考え方で、憲法第84条に規定されているんだ。 日本国憲法 第八十四条 あらたに租税を課し、又は現行の租税を変更するには、法律又は法律の定める条件によることを必要とする。 で、質問にあるような地方税については、地方税法の規定にはないものであるため、法律には定めれていない税ってことになるんだ。これを法定外税というんだけど、地方税法には特定の地方公共団体における法定外税を設けることができる規定があるんだよね。 現行法の手順としては、 ①地方団体の議会が特定納税義務者に意見の聴取を行う。 ②特定納税義務者は意見の提出。 ③地方団体の議会において条例可決後、総務大臣に対して協議を行う。 ④総務大臣は地方財政審議会に意見の聴取を行い、意見を得る。 ⑤財務大臣に通知を行い、異議がある場合は、異議が出される。 ⑥上記⑤において財務大臣の異議がない場合、総務大臣は同意。 ⑦地方団体は総務大臣の関与に不服がある場合は国地方係争処理委員会に審査の申出を行う。 ⑧国地方係争処理委員会は関与が不当であると認める時は、総務大臣に対して勧告を行う。 まぁ、このような流れなんだな。だから、のぞみ通過税を云々っていったところで、かなり面倒な話なんだよな。 で、ここからが重要で、総務大臣が同意しない場合ってのはどういったときなのかって話。 地方税法 第二百六十一条 総務大臣は、第二百五十九条第一項の規定による協議の申出を受けた場合には、当該協議の申出に係る道府県法定外普通税について次に掲げる事由のいずれかがあると認める場合を除き、これに同意しなければならない。 一 国税又は他の地方税と課税標準を同じくし、かつ、住民の負担が著しく過重となること。 二 地方団体間における物の流通に重大な障害を与えること。 三 前二号に掲げるものを除くほか、国の経済施策に照らして適当でないこと。 この地方税法第261条第3号の「国の経済施策に照らして適当でないこと」に抵触するおそれがあるんだよな。 全国新幹線鉄道整備法 第一条 この法律は、高速輸送体系の形成が国土の総合的かつ普遍的開発に果たす役割の重要性にかんがみ、新幹線鉄道による全国的な鉄道網の整備を図り、もつて国民経済の発展及び国民生活領域の拡大並びに地域の振興に資することを目的とする。 全国新幹線鉄道整備法第1条に新幹線鉄道の整備の意義が述べられているんだけど、新幹線鉄道の役割の一つとして「国民経済の発展及び国民生活領域の拡大」と、その役割を挙げてるだろう。 じゃぁ、仮にのぞみ通過税なんてものを認めたとしたら、JR東海はのぞみの特急料金を値上げせざるを得なくなる。となると、のぞみの利用者が減るか、伸び悩むよな。となると、全国新幹線鉄道整備法第1条に掲げている「国民生活領域の拡大」と矛盾するよね。 で、のぞみ通過税なんて話は、前静岡県知事の石川嘉延氏が言い出したことなんだけど、実際に手続なんかやらかしたら、とんでもない政治スキャンダルになってしまうんだ。 冒頭で租税法律主義を書いただろう。そもそも租税法律主義はなんで必要なのか?ってことなんだ。それは民主主義にとって不可欠だからなんだ。 そもそも、税金っていうのは、国民の財産に対する権利の問題に直接かかわるだろう。で、近代以前は封建領主や絶対君主が戦争費用の調達や個人的欲望のために国民に対して恣意的な課税を行っていたんだ。となると、国民の財産に対する権利が不当に侵害されるだろう。 で、話を法定外税に戻すけど、地方税法で法定外税を認めているのは、その地方における事情とその必要性から認めているんだ。石川氏がのぞみ通過税なんて言い出したのは、要はのぞみを静岡県に停車させないJR東海が気に入らないとか、のぞみを停車させるように誘導するものであるから、法定外税の趣旨に反していたんだ。要は権力を振りかざして、JR東海にダメージをあたえるのと同じなんだな。だから、こんなことをやらかしたら、政治スキャンダルになるのは目に見えていたんだな。
なるほど:8
静岡県とJR東海がいがみ合っているのはリニア云々よりずっと昔からです。 いちいち間に受ける必要ないので「なんか騒いでんなぁ」くらいで受け流しといてください。
なるほど:2
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