精神科医にできなくて、公認心理師にできる業務はありますか？

Question

精神科医にできなくて、公認心理師にできる業務はありますか？

Answer 1

結論から言いますと、一部の心理療法（精神分析、精神分析的心理療法、認知行動療法、森田療法等）については、一部の精神科医はできますが、それ以外の流派の心理療法やマイナーな心理療法は心理士しかできないケースが多いと思います。

また昔は精神分析や精神分析的心理療法は精神科医が主流でしたが、近年は心理士が実施するのが主流となり、本格的なトレーニングを受けている精神科医はかなり少ないでしょう。かじってるくらいならそこそこいるかもしれませんが…

心理検査に関しては、非常に簡単な検査、例えば長谷川式認知症スケール等の短時間ででき、簡易な検査以外で専門的に心理検査を学んでいる精神科医は診察の時間的制約もあり、ほぼいないと考えられます。

上記のような心理療法のできる精神科医も診察の時間的制約や薬物療法が現代の精神科医療で主流なのもあり、非常に少数派です。

一部の心理検査の結果の読み取りくらいは仕事上、心理士の初見を読むこともあるので学習している方もいるかもしれませんが、複雑な心理検査の実施まではできないでしょう。

なので、時間のかかる発達検査、知能検査、人格検査、ロールシャッハテスト等の複雑な投影法等の心理検査は心理士しかできないケースがほとんどだと思われます。

ちなみに、おそらくご存知とは思いますが、医師法に基づく医療行為は、医師や看護師しか行えないものも多いですが、
国家資格の公認心理師は、名称独占資格なので、実務はともかく法律上は公認心理師しか行えない業務はないということになります。

一部の特別支援教諭や精神保健福祉士等にも一部の発達検査や知能検査、その他の心理検査を実務としてできる人が実際いますし、先程申し上げように、精神分析や精神分析的心理療法、認知行動療法、森田療法等の心理療法についてはできる精神科医も一部います。

それに、公認心理師が名称独占資格である以上は、素人がカウンセラーを名乗ったりしても違反行為にはなりません（意味のあるカウンセリングをできるかは別ですが）。

心理テストに関しては、専門的トレーニングを受けていない者が心理テストをしてはいけないという倫理基準を、心理テストを出している機関が定めているケースがあるので、法的罰則は無くとも、素人が心理検査をやって、バレたら、そういった機関や心理士に怒られる可能性は十分あると思います。

余談も入りましたが、以上のように、一部の心理検査とカウンセリングや心理療法は精神科医がトレーニングを受けているケースが非常に少なく、心理士しか実務としてはできないケースが多いため、それらについては実質的な心理士の業務独占に近いのかなと思います。

また業務としてではなく、カウンセリングや心理療法を行う時の視点や姿勢として、医師と心理士では違いがあります。

・医師は治療モデル
（悪化してものを良くくする）
で実施することが多く

・心理士は成長・発達モデル
（成長や自己実現を志向し、病気の人であっても治療というよりは病気を抱えたままより良い人生を送ることを目指す）
を参照して実施することが多いです。

職種ごとにある傾向であって、医師が成長・発達モデルの視点を持たないとか、心理士が医療モデルで絶対に関わらないというわけではないですが…

そういった意味では同じ精神科医療で働いている精神科医と心理士であっても、今は精神科医の支援は薬物療法中心なので、病を抱えたままより良く生きることを支援をするのは心理士が中心であるということができ、精神科医でそういった視点を持った支援ができる人は少ないかもしれませんね。

長文失礼致しました。
参考になれば幸いです。

Answer 2

tuy********さんへ

心理検査、箱庭療法ができない精神科専門医・精神保健指定はいません。

しかし、それを、疾患の治療に、
無効・あまり効果がないと考えている精神科医が過半数です。
学会で紛糾するのは、有効でないと考えている精神科専門医が多いからです。

Answer 3

現実的に、心理検査とか、箱庭療法とか、医師はできる権利はあるかもしれませんが、殆どの精神科医は実際はできません。