東北エリアで伝統的工芸品の生産に従事している者(伝統工芸士、職歴15年)です。 私の師にあたる方のリタイアにより、約2年前に勤めていた事業所を独立し開業をしました。 まずは、ご存知のことかと思いますが伝統的工芸品とは国内で一定の要件を満たし、経済産業大臣の指定を受けた地場産業による手工芸品となります。その指定を受けた産業に従事して満12年が経過し、国の定める試験(学科と実技)や審査(有識者の設問や面接)に合格した方が得られる称号が「伝統工芸士」となります。 凡人、という言葉の基準をどこに置くかどうかですが上記の通り、伝統的工芸品産業に必要期間従事し、一定以上の技術水準に及ぶための研鑽をすることができれば、伝統工芸士になることはできます。生産地内での他の生産者(先輩職人さんなど)からの評価や公募展などの受賞歴なども審査結果にプラスとなる要素となります。 私自身、体力や気力、ものづくりのセンスは人並みくらいと思っていますが、しっかり時間をかけて技術を身につけるという気持ちで日々過ごしています。ですので伝統工芸士になるために、人間ばなれした肉体や精神・感覚などは不要かと思われます。 伝統工芸士になると食べていけるか、というご質問ですが、おそらく業種や従事の形態(被雇用者であるか事業主か)などによりだいぶ変わってくることかと思います。 全ての伝統工芸士さんがいわゆる親方(事業主)ではなかったりしますので、例えば規模の大きな事業所に雇用されている伝統工芸士さんもいらっしゃいます。その場合は給与所得で生計を立てますので、事業所が廃業しない限り生活は保障されます。 業種にもよりますが、逆に個人事業主でお弟子さん(従業員)を雇わず、ご自身が生計を立てるだけで精一杯という方もいらっしゃいます(そのまた逆で、複数人のお弟子さんに技術継承をされている方もいらっしゃいます)。 全体的に食べていけない、食べていくのが大変というイメージがつきまとう産業ですが、販売のアプローチの仕方や独自性・稀少性を味方につけるなど工夫をすることで、仕事としての広がりをつくることが可能です。 景気の浮き沈みに左右されるというのはどのお仕事も同じですし、実際に10数年従事して、国内外問わず伝統的工芸品の魅力をご理解いただけることが思いの外多く感じますので、この仕事もまだまだ捨てたものではないと思いながら続けています。 長々と大変申し訳ありません。ご参考になれれば幸いです。
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