解決済み
救急消防援助隊について消防の救急救命士を目指している学生です。 救急消防援助隊に入り、災害時には現場の最前線で助けたいと思うようになりました。 ①救急消防援助隊に入る方法 ②救急消防援助隊に入りやすい消防局、本部はあるのか ③女性でも入れるのか 1つでもいいので、ご存知の方がいらっしゃいましたら教えてください。
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「救急消防援助隊」というのはありません。 「緊急消防援助隊」です。 まず、緊急消防援助隊の説明からします。長くなりますよ。 緊急消防援助隊(緊援隊)というのは、大規模災害や特殊な災害が発生した場合に、通常行われる消防応援体制です。 通常、消防が他の消防本部に応援を求める場合は「隣接相互応援協定」というのを使います。 隣り合う自治体が、自分の本部の消防力(装備や人員など、現場対応できる能力のこと)を上回る時に「ウチでは対応できないので、助けてください」と依頼します。他のケースもありますが、割愛します。 これは事前に協定を結んでいますから、要請があれば必要な部隊を出動させます。 隣接する自治体間の協定ですから、都道府県を越えて応援することもあります。 次に都道府県内広域応援です。 隣接応援だけで足りない場合や、隣接する本部がその現場に必要な装備などを持ってなければ、都道府県の消防防災担当課や県庁所在市の本部が窓口になって部隊派遣を決めます。これも、事前に協定を結んでいます。 都道府県内広域応援でも対応できない場合は、緊援隊の派遣を要請します。 緊援隊の原則的な要請方法は、発災地を管轄する消防本部が都道府県知事に対して「緊援隊の派遣を総務省消防庁長官に求めてください。災害の状況はこんなもので、どれだけの部隊や装備が必要です」と連絡します。 それを受けて都道府県知事が総務省消防庁に派遣要請すると、総務省消防庁の中で「これだけの部隊をどこどこに派遣しなさい」と必要な都道府県に指示します。 また、大規模震災などの場合、広範囲に被害が出てしまい、各消防本部が派遣要請を知事に出せない、知事が総務省消防庁に派遣要請ができないということも起こりますから、現在では総務省消防庁長官が必要と考えれば、発災地の要請を待たずして、緊援隊派遣を決定できます。 余談ですが、阪神淡路大震災では、被災地直近の自衛隊中部方面総監部がすぐに出動できませんでした。当時は知事の要請がなければ自衛隊の災害派遣はなかったのです。 総監部は直近で駅舎が倒壊したりしているのを確認したので県庁に何度も何度も電話しましたが、早朝の発災で職員がいなかったこと、震災で県庁に行ける職員が少なかった(職員が被災者だった)ために、電話に出られなかったのです。 そして、やっと、午前10頃に県庁の職員が電話に出たので「伊丹(県内の市)の自衛隊です。こちらもできる範囲で被害を確認している。県内はどうなってますか?」と尋ねると、職員が「助けてください」と答えたそうです。 そこで「ではこの電話をもって知事からの災害派遣要請と解しますが、それでよろしいか?」と聞いたら「よろしくお願いします」と答えたため、直ちに待機していた自衛隊の部隊を派遣したそうです。 発災から5時間余り、被害が分かっているのに出動できなかった自衛隊を批判する声がありましたが、のちに幹部の自衛官が「私たちは出たくても出られなかった。あれが精一杯なんです」と涙ながらに語っていました。 さて、緊急消防援助隊院に指定されるにはどうするか?というと、そう簡単ではありません。 というのは、消防車や救急車は、全部同じ作りじゃないんです。いきなり「この車に乗っていけ」と言われて「はいそうですか」とはいかないんです。 そのため、緊急消防援助隊に登録するのは「隊とその隊が使う車」なんです。 例えばA消防署の第1小隊と第2救急隊、B消防署の第1救助小隊と第3はしご小隊…って感じです。 だから、緊援隊登録部隊に配置されないと、緊援隊として出られないんです。 登録部隊というのは「いつ緊援派遣要請があっても出動できる隊」なので、どこかで大きな被害が出たら、必要な装備や着替えなどを用意しているんです。 ただ、東日本大震災のように、活動が長期化する場合は、隊員の疲労を考えて、適宜、隊員を交代させます。 というのは、現場活動は時間との戦いです。最初に派遣される部隊は、ほぼ寝ずに活動をするんです。そのままだと事故を起こしますから、交代させます。 この時は、登録隊以外の隊員を派遣することになります。 緊援隊は、あなたが考えるほど甘くないですよ。 徹夜でなくても、それに近いことはいっぱいあります。 私は訓練で参加したことがありますが、昼間の現場対応が夜の8時頃までかかります。 現場指揮統制をする隊の役でしたが、8時に訓練が終わると、自分の県の部隊の指揮者を集めて情報集約です。 そこから県庁(という想定の場所)に集まって、次は県、消防、自衛隊、警察などが集まって、情報交換をし、翌日の活動方針を決めます。それが終わるのが夜の11時頃でした。 それから県内の本部の指揮者を集めて翌日の活動の説明です。終わるのは12時頃。そこから夕食です。 次の日の活動は朝8時です。それまでに寝ていた簡易ベッドなシュラフを片付け、食事をし、車両と装備品の点検をします。隊員の健康状態もチェックします。中には体調不良者という想定のメンバーもいて、他の隊とメンバーチェンジするといったシナリオもあるんですよ。もちろん、各隊員にも活動内容、方針を伝えるブリーフィングもやります。 なので、起床は5時です。 けど、これは訓練だからこの程度で済んでます。もし本当の現場であれば、夜に寝てる時間はありません。 「私が行きます!」と手を挙げても、現場の状況を見て、適任と思われる者を派遣しますから「行きたいと言えば行ける」のではありません。 「どういう本部に入れば派遣されやすいか?」ということで言えば、東京消防庁が多いでしょうね。 というのは、東消は日本で一番大きな消防本部です。また、いろんな特殊装備を持ってますし、現場活動の経験値も半端ないです。 人も多いので、100人くらい派遣したって屁でもないですよ。100人といえば、消防署1つ分、下手したら消防本部1つ分の人員です。それだけの消防力があるんです。 次は政令指定都市ですね。職員数が1,000人規模の本部なら、東消までは行きませんが、そこそこの人員ですし、装備もあります。 緊援隊の派遣指示は「〇〇県から、消火隊何隊、救助隊何隊、救急隊何隊」という形で県の消防防災担当課に連絡が入ります。 事前にどの隊にはどこの本部を派遣させるかというのが決まっています。そうなると、どうしても人員が多く車両も多い大きな本部の方が派遣される確率が高くなるんです。 だから、大きな本部の方が派遣される確率が多くなりますね。 女性が行けるかどうかは、現地の状況によります。 例えば宿営地に女性が使えるシャワーやトイレがちゃんとあるか?仮眠するのに男女を分ける必要がありますが、そういう設備や装備があるか?というのが問題になります。 女性が宿営できる場所ならいいんですけどね。 さてと… いっぱい書いたので疲れました(笑) ただ、緊援隊がどんなものか分かって欲しかったんです。テレビで映ってるのは、安全でテレビで流してもいいような場面でしかないんです。 東日本大震災の時に、自衛隊の偵察ヘリが「海岸に多数の遺体らしきものが見える。100以上、おそらく3〜400と思われる」って言ったんですよ。もちろん、映像なんか出せるわけがありません。 あなたは「緊急消防援助隊で活躍したい」と思ってますよね? その言葉、深く掘り下げて考えましたか? 私はいつも言ってるんですが「火災や災害現場でヒーローになりたいなどと考えるな」ってことです。 あなたが緊急消防援助隊として被災地に派遣されて活躍したい、そんなチャンスが欲しいと考えてるってことは、あなたは大規模震災などの発生を心待ちにしてるんですよ。 東日本大震災級の災害を期待してるなら、16,000人近い人が死ぬのを期待してるんですよ。そういうことを軽々しく口に出してはいけません。 どんな仕事でも、やりたいことはありますし、経験したいこともあるでしょう。 しかし、災害時に救助活動をするような機関の人間が、たくさんの人が死ぬような災害を期待しているなんていうのはどうなんでしょうね? それと私の後輩にもいましたが「救助隊員になりたい」と目標を持つことはいいですが「俺が救助隊員になれないのはおかしい。誰かが邪魔してる」という奴もいます。 それは、自分に何か問題があるだけです。 技能や知識もありますが日常の言動を見れば「こいつはダメだ」と思われるんです。 だからといって不貞腐れて仕事をしないのは間違いです。 不本意でも与えられた仕事をきちんとこなすことが大事なんです。 それをよく考えて、消防に入ってください。
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