JICA職員になるために大学院から専攻を変えようと思っているのですが、文系で好ましい学問はありますか？

Question

JICA職員になるために大学院から専攻を変えようと思っているのですが、文系で好ましい学問はありますか？自分自身でJICA職員の募集要項に目を通してみたのですが、
そのどれもに「専門知識」と「（海外での）専門に関する実務経験」というものが記載されており、
自分の今の専門は社会心理学なので、とても応募できそうにありません。

専門を変え、関連した学問の大学院に進学するのが一番の解決策だと思うのですが、
その際、どの学問が好ましいかアドバイスがあればお願いしたいです。

私の興味がある分野は平和構築、貧困削減、女性差別の軽減です。
この分野の仕事をするのに役立つ学問はあるのでしょうか？

加えて、国際開発学というものを発見したのですが、この学問はとても範囲が広く、
専門的というよりは広く浅くといった印象を受けます。
この学問で修士を取り、実際にJICA職員に応募することはできるのでしょうか？
その際「専門に関する実務経験」というのはどのようなものになり、またどのような分野で働くことになるのでしょうか？

Answer 1

ＪＩＣＡが必要としている専門性というのは、実は多岐に渡っているので、これを専門にすれば、というのはなかなか難しいのが実情です。
質問者様も見つけられた「国際開発学」については、ご推察の通り「広く浅く」です。「学」と名乗ってはいますが、中身は寄せ集めで、社会科学全般についてある程度精通している前提で、「開発」についての様々な局面を研究していく分野です。ですから、経済学寄り（これは多いですね）、あるいは開発社会学（これは地域研究といった分野になります）、あるいは開発人類学なんてものもあって、それぞれの専門性に偏った研究しかできません。むしろ、どこかに専門性をガチっともっていないと、役には立たない分野です。

さて、質問者さんの関心のある「平和構築、貧困削減、女性差別の軽減」についてですが、

平和構築…国際関係論、国際政治学 etc
貧困削減…国際金融論、開発援助、国際政治 etc
女性差別の軽減…社会学、文化人類学 etc

だいぶ適当になってしまってますが、まぁ、学問的アプローチからみても多岐にわたる。
これを大学院でいきなり始めるのは、結構大変なのはおわかりでしょうか？
修士は取れると思うのですが（どういう先生につくかによって全然違ってくると思います）、これは正直言ってＪＩＣＡの求める専門性とはちょっと違うと思います。（2年ばっかり勉強したのでは、頭でっかちで現場で使えない、と言いますか）
（上記にあげたような学問分野が学べる大学院を調べて、進路状況を見てみるのもよいかもしれません。ひょっとするとＪＩＣＡ職員を出しているところがあるかも）

また、どういう「経験」が求められるかというと、簡単に言えば例えば海外でのＮＧＯでの活動。あるいは国際的な援助機関での実務経験、あるいはＯＤＡ関連でテクニカルな仕事に海外で従事した、等々が思い浮かびます。ようするに、実務経験とは「援助」の現場で働いたことがあるかどうか、ということです。他には、「援助」現場でなくとも、「専門的(分野は問わない）」な仕事を海外でやっていたことがある、というのでも、それがＪＩＣＡにとって有用な専門性であれば良いということでしょう。

私の知人のＪＩＣＡ職員は、上記と全然違って、大学院で村落社会学っぽいこと(←日本の農村でアグロツーリズムの研究をしていました）で修士号を取っていました。座学というよりはフィールドワーク主体でやっていましたから、そういうところを評価されたのかもしれません。

なんだか質問に対する答えにはなっていませんが、もう少しご自身でどういった理由でＪＩＣＡに入りたいのかを具体的に考えられると、知恵を差し上げることができるかもしれません。

例えば、貧困撲滅に関する仕事をしたいのであれば、経済学や金融論を修めてＩＭＦなりを目指す（いえ、いきなりＩＭＦは大変なので、日本の大手の銀行を目指してそこから出向）とか、世界銀行という手もあります。日本の外務省に入ってＯＤＡ関連の仕事を目指す、というのもあるでしょう。質問者さんにとって、なぜＪＩＣＡでなければならないのか？ ということが明確にないと、なかなかアドバイスが難しい、というところです。
長文なのに、答えになっておらずに済みません。