解決済み
医療事件で、説明不足による、医療過誤事件が東京女子医科大学事件も含め、散見しますが、大学病院や医学部は医学生、医師に対してインフォームドコンセントの教育はどのようにやっているのでしょうか
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昔はなかったですが、今は訓練として、学生時代に「癌の告知」や「治験の説明」などのロールプレイングはやっています。 一番の問題は、インフォームドコンセントを得る時間と余裕がないのです。 患者の家族に説明しようにも、今日の夜9時からしか無理とか、日曜日しか無理と言われて、ちゃんとした説明が出来るでしょうか? 救急患者や重症患者なら、家族は近くにいるのですが、医師側が手一杯で、なかなか説明する時間が作れず、かつ説明が家族に伝わっているか分かる余裕はありません。 あとは、医療が細分化されすぎて、専門分野の狭い範囲しか分からないと言うことも大きな問題でしょう。先日の東京女子医科大学の事件が典型ですが、私の想像では、主治医は耳鼻咽喉科の医師、手術したのはその医師の上司、術後しばらく人工呼吸管理をした方がよいと言ったのは教授だったり、実際の術後の呼吸管理をしたのは麻酔科医、傷の管理をしたのは主治医など責任の所在が曖昧で、患者を統括管理している主治医は、実は一番立場が下の医師だったんでしょう。こんなことは、大学病院などではよくある話です。そうなると、主治医も自分より上の先生がやっていることはおかしいとは言えませんし、たぶん、主治医はプロポフォールが使われていることはわかっていても、麻酔科の先生の指示で使われているので問題ないだろうと思っています。これでは、家族にすべてを説明できないでしょう。
簡潔に。 基本としては、医学部学生の頃に医療と法だとか、医療と倫理のような科目として講義を受けます。また、大学によってはインフォームドコンセントをとるロールプレイのような授業もあります。 医師に対しては、医療安全講習、倫理講習などを通して知識のバージョンアップを図っています。 こういったシステムとして習うことの他に、当然ながら先輩医師の手術説明や病状説明に同席する形で、実際のインフォームドコンセントをとる方法や患者さんにわかりやすい説明の仕方などを学んでいきます。 しかしながら、医学が進歩しすぎた部分もあり患者さんと医療者の理解が一致しない場合だとか、詳細に話せば話すほど時間がかかるという問題や、いかに手術説明や病状説明に時間をかけても一円にも評価されない現実などの問題があり、一般の人々が思うほど細かくは行われていない現実もあります。
既に十分な回答が出ていますが、インフォームド・コンセント自体の必要性や手法は、学生の時にも研修医の時にも学びます。それを十分にする時間がないが問題というのも他の方が仰る通り。 特に難しいのは、家族が働いているようなケースの重症患者です。毎日医師と家族が都合が合って説明できるわけではないし、かといって患者の様態は毎日変わるから、「しばらく説明を聞いていないうちに随分様子が変わっている!」ということが多い。それが「全然説明してくれない!勝手にやった!」という患者感情になり、トラブルに発展しやすいのです。 そうなると、医師側もトラブルを恐れ一々患者家族に説明してからでないと、検査や治療が進みにくくなったりする。迅速な検査・治療ができなくなります。結局、患者本人が最も損をする。そういうケースは幾つも見ていますし、私自身の体験もあります。 例えば、今にも死にそうな患者を前にして、「延命治療をやるか」ということを家族に聞いた時に、「今まで考えたこともない」とか、「家族がみんな集まらなければ判断できない」とか言う家族は非常に多いのですが、そんな時間は現実にはありません。その中で、インフォームド・コンセントを完璧に取ることは不可能です。 インフォームド・コンセントも重要ですが、ある程度は医療者に任せてくれなければ、上手くいくものも行かなくなるのが現実です。ですので、教育も確かに重要ですが、患者家族側がなるべく治療に協力的であること、普段から医療について考えておくこと、取り巻く社会が理解をしてくれることが最も重要なのです。
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