佐村河内守氏とスティーブ・ジョブズ氏の仕事

Question

佐村河内守氏とスティーブ・ジョブズ氏の仕事（嘘をついていたということは大問題ですが）
２人ともコンポーザー、プロデューサー的な仕事をしていたということなのでしょうか。
ジョブズ氏もプログラミングはできなくてこのような製品を作りたい
ということでiphoneを作ったように思います。
iphoneの手触りや質感も大切に考えて指示していたそうですね。
佐村河内氏は（本人の指示だとしたら）ニュースでは楽曲の構成を図で示して指示していた
そうなので、
ということは２人の仕事は種類としては同じようなことをしていた
ということになるのでしょうか？

Answer 1

全く違います。佐村河内守氏は自分の名前で作品を作り音楽発表したわけです。自分の求めた音の作品というなら、最低でも自分で楽譜が書けなければ、自分の音は表現できません。佐村河内守氏は自身では楽譜が書けず、すべて実際はゴーストライターの新垣隆氏が書いていたそうですから他人を欺くひどい話。画家が自分でいくら頭で想像しても、絵が描けなければ作品として認められないのと同じですよ。

スティーブ・ジョブズ氏が作り出したのは工業製品ですから、工業製品と美術品が同じ評価基準というのはおかしな話です。工業製品はアイデアがあれば、それを表現するのに既存の技術を組み合わせても製品として完成度が高ければ世の中で認められるのです。
ただし、先駆者の技術の発見発明には、著作権や特許で保護されていますから、特許に抵触しないような方法を考えるか、必要ならば特許使用料を支払えば必要な技術は合法的に使えるところが、芸術作品とは大違いです。

芸術で既存の作品をまねれば、それは、模倣か贋作ですよ。

Answer 2

「交響曲1番 hiroshima」を聴きましたが、残念ながら新しい音楽と言う気はしませんでしたね。
つまりマーラーやショスタコービッチの音楽の焼きまわしという印象がぬぐえません。
現代音楽と言うより聴きやすい曲とは思いまいたが強烈なインパクトを受けることはなく、全聾の作曲家以外の人間が創った作品でなければココまでの評価を受けることはなかったことは間違いないでしょう。
それに対してスティーブ・ジョブズは優秀なエンジニアではないものの新しい製品の開発には跳び抜けた感覚を持っていたと思われます。しかし、そこまでのものを佐村河内氏が持っていたとは到底思われません。
ある意味素人であったから作曲のプロなら恥ずかしくてしないような使い回しを指示したことはあったと思いますが、それによって新しい音楽を創造したとは言えないと思いますね。
あるのは新垣氏の作曲家としての技量がある程度高いということで、この程度の作品に過ぎないモノのを全聾の作曲家が創ったというふれ込みを利用して作品の価値をあげることに成功した詐欺師に過ぎません。

Answer 3

プロデューサー的な仕事だったというざっくりした意味では似たようなものかもしれませんが、ジョブズ氏が単なるプロデューサーとは違うところは製品の極めて細かいところまで口を出していたところだろうと思います。

例えばMacintoshのケースをデザインした時には、自分では図面は描かないものの模型を山のように作らせて、角ばりすぎているとか面取り部分の半径を大きくしろとか斜角面のサイズがよくないとか非常に細かいところまで指示を出すのです。デザイナーは自分がどういうものをデザインするのかをよくわかっておらず、ジョブズのアイデアやインスピレーションがなければ完成しなかったと述べています。
こういったこだわりが発揮されるのは当然ケースのデザインだけではなく、製品のコンセプトから始まってスペックや使われる部品や価格や材質やソフトウェアやパッケージや配線の美しさに至るまで、とにかく何から何まで細かく指示を出して必要があれば何十回でもやり直しをさせるのです。そこまでやるからこそAppleの製品はジョブズが生み出していたとみなすこともできるわけです。

佐村河内氏は構想のアウトラインは作っていたのかもしれませんが、ジョブズのようには作曲に口を出していなかったのではないかと想像します。