わかりやすく言えば、「行政書士じゃないと書いてはいけない」「行政書士じゃないとやってはいけない」ものがなにもないからです。 登記書類は司法書士、税務関係書類は税理士、知的財産関係は弁理士が書かないといけません(本人が書いていいかどうかという問題はさておき)。弁護士は、ご存知のとおり法的交渉や裁判での代理を務められる唯一の士業ですね。 そういうものが行政書士には何もありません。少し面倒くさいのさえ我慢すれば、自分が書いたら間に合うという書類を、効率的に処理するというのが行政書士の本来の仕事です。というと、ニーズが少ないことはお分かりかと思います。文盲率が高かった時代ならまだしも、現代ではインターネットで調べてワープロでさくさくっと書けば終わり、そういう書類を書くのが行政書士の仕事だったんです。 もちろん、非常に面倒くさい許認可などの仕事で、素人では書けないからという理由で行政書士に依頼する人もいます。しかしそういう仕事は古参の行政書士や公務員退職組が人脈などの関係で押さえており、試験に合格しただけの新人が割って入る余地はありません。 行政書士会は「民事法務」「ADR」などを行政書士の新しい職域として盛んに喧伝しますが、他士業からは「行政書士ごときが何言ってんの?」と白い目で見られています。市民の側も、わざわざ行政書士に頼もうという人はほとんどいません。行政書士が何もできないことを知っているからです。 また、行政書士は試験が実務と何の関係もありません。したがって、試験に受かって登録しても素人なんです。そんな新人たちの不安につけこんで、「実務教えます商法」が蔓延っています。「行政書士成功セミナー」のたぐいが跡を絶ちませんし、行政書士の立場を守るべきはずの行政書士会そのものまでが、全国でも年に1~2例しか発生しないような珍しいものまで載せた分厚い「行政書士業務サンプル集」を買わないかと言ってくるのですからひどいものです。ちなみに、「行政書士成功セミナー」で教えてもらえることは「来年の新人に同じことを教えろ」だったりします。 まあ、わかりやすく言えば行政書士は資格商法とネズミ講の合わせ技に国のお墨付きがついているようなものなのです。これで、まともにやっていこうという人は少なくて当然です。
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行政書士は明治以前にその起源を有し、行政の事務軽減と読み書きできない市民の補助的な目的で代書人として世に登場した。当時は当然ネットもワープロもなく庶民の識字率も今のように100%近くあったわけではないから需要があった。現代ではネットで探せばありとあらゆる書面の雛形はあるし、どこの家庭にでもPC、ワープロもある。読み書きができない者も皆無である。つまり代書屋たる行政書士はもはやその存在意義を失った資格、士業なのである。現代では行政書士の需要など微塵もない。 社会で需要がないのだから開業後即廃業になるのはむしろ自然。
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