マン管・管理業務主任者試験での団地の一括建替え決議についてお聞きします

Question

マン管・管理業務主任者試験での団地の一括建替え決議についてお聞きします管理組合の集会で全棟の区分所有者及び議決権の5分の4以上の賛成の決議、かつ各棟の3分の2以上の決議とあるのですが、これは同じ一つの決議ということですか？

集会で1度決議を取った時、全体で5分の4以上あって、その内訳で各棟の3分の2以上ないとダメってことなんでしょうか？
それとも全体で決議を取って、また別に各棟でそれぞれ決議を取って3分の2以上いかなきゃダメということですか？

詳しい方いらしたらよろしくお願いします

Answer 1

ずばり結論から言うと、集会は１度でよいのです。すなわち、団地管理組合で全体の区分所有者及び議決権の５分の４以上の多数で一括建替え決議をして、その内訳が各棟の区分所有者及び議決権の３分の２以上の者が賛成していればよいのです。（区分所有法７０条）

この問題は、区分所有法６９条から７０条への流れを押さえておくことで、理解しやすくなります。

すなわち、６９条では、団地内の１棟の建物の建て替えをする際に、まず、その棟の区分所有者及び議決権の５分の４以上の多数の建て替え決議をした後、団地管理組合の集会において議決権の４分の３以上の承認決議が必要であることが定められています。つまり、棟の管理組合での決議と団地管理組合での決議という２回の決議が必要なわけです。

ですから、たとえば団地内の２つの棟が同時に建て替えを行う場合には、前述したように、原則としては各棟で1回ずつ＋団地で２回の合計４回の決議が必要なのですが、それではいかにも面倒なので、６９条６～７項で、団地管理組合の決議は１度でも構わないと定めたのです。（これは７０条の「一括建替え承認決議」とは違うので要注意）

その前提として、６９条７項では、あくまでも各棟で５分の４以上の「建替え決議」と「一括して建て替え承認決議を受けることの決議」をしていなければならず、したがって、前述の例で言うと、２棟の決議（各棟で５分の４以上）＋団地での決議１回（議決権の４分の３以上）の計３回の集会決議が必要となるのです。

ちなみに、この議決権の４分の３以上の数え方ですが、棟で５分の４以上の建替え決議が成立している場合は、その棟の全議決権が賛成したものとみなされます。

そして、いよいよ７０条ですが、ここでは団地には区分所有建物しかなく、しかも、その区分所有建物が全て一括して建て替えを行う場合の規定が定められているのです。この場合は、団地管理組合の集会で区分所有及び議決権５分の４以上の多数で決議できます。その内訳が、各棟ごとに区分所有者及び議決権の３分の２以上の賛成がなければなりません。ですから、この場合は１回の議決でよいのです。

Answer 2

例えば、団地に3棟の共同住宅があったとします。その一つが立て替えを希望し建て替え決議を行います。
もちろん、その建替え予定の管理組合は、５分の４以上の特別決議が必要となりますが、同じ団地内の他の2棟の管理組合では、3分の2以上の賛成を得る議決が必要となります。
よって、建替え予定の管理組合では、５分の４以上の特別決議を行い、他の2棟の管理組合では、３分の２以上の決議を行い、すべてが可決することが建替えの条件です。
以上の設定は、3棟の共同住宅にそれぞれの管理組合があり、また、全体の団地管理組合も存在する場合です。
ご質問の集会（総会）は、団地の全体総会ではなく、それぞれの管理組合の決議となります。
ただし、数棟の共同住宅があってもそれぞれに管理組合があるとは限りません。ひとつしか管理組合を有していない場合もあります。その場合には、見た目は団地形成されていても1棟の管理組合と扱われますので、総会の特別決議のみにて採決されます。

Answer 3

Ａ棟のＸさんが一括立て替え決議で賛成票を投じた場合、

その票は団地全体の賛成票と、Ａ棟としての賛成票の２つの意味が有ります。

Answer 4

細かい手続は、法律よりそれの下位に属する施行規則等で定められていると思います。そのため、極論を言えば試験範囲ではありません。とりあえずこの、全体の５分の４以上と、各棟の３分の２以上と言う数字を覚えるところです。（まぁ、全体の５分の４が賛成していても、ある１つの棟が頑に抵抗しているということもあるので、各棟の３分の２という規定があると考えると良いと思います。）