将来、生計を立てる手段の一つとして、日本語教師を検討しています。 日本語教育能力検定試験を受けようと思うのですが、…

Question

将来、生計を立てる手段の一つとして、日本語教師を検討しています。

日本語教育能力検定試験を受けようと思うのですが、それ以外でも大学での履修などの条件・義務があるのでしょうか？
お教えください。私は、現在東京大学の一年生で、将来の進路・生計を立てる手段を検討しています。
大学の制度上、進路を決めるまであと半年の猶予があり、専攻とする領域とは別に、生計を立てる手段を確保しようと考えています。
その一つとして、日本語教師を検討しており、日本語教育能力検定試験の勉強も始めました。
ですが、教師の資格の要件が込み入って、混乱しています。
試験に合格するだけでは駄目なのでしょうか？？

Answer 1

簡単に言うと、「資格がある」＝「採用される」ではないということです。

確かに日本語教育能力検定合格は一般的に「日本語教師の資格」言われているものの１つです。それ以外に大学で何か科目を履修するなどの条件はありません。

ただ、ここでいう「資格」というのは日本語教育振興協会（日振協）が定めている最低条件に過ぎません。

実際の求人広告をごらんになればお分かりいただけるかともいますが、大半の国内の日本語学校では未経験者を募集していません。つまり、検定合格は条件の１つを満たすだけであり、それだけで十分な条件とは言えないということです。民間の日本語学校などが有利なのは、実習などで優れた評価を得られれば、その学校の非常勤講師として採用されたり、提携する海外などの学校への就職を斡旋してもらえる可能性があるからです。

採用側としても、たった1度の面接、模擬授業で判断するのではなく、どんな授業をするのか、きちんと働いてもらえるかという適正を継続的に判断できる受講生から採用した方が採用リスクが低いのは明らかですし。また、検定はあくまで日本語教育の知識を図るペーパーテストであって、実際に授業で教える技術についてはほとんど学ぶことはできません。教員免許などをコースを受講していて、教育実習をしているなどであれば別ですが、そうでない場合、いきなり経験なしで教壇に立つことになります。この業界は採用、即戦力という世界です。一般企業のような研修期間なんてないところがほとんどですから（養成講座の模擬授業などが「研修」にあたるものなので）。

資格マニアで資格を取るのが目的でなく、就職を考えているのであれば民間の養成講座の方が有利だというのはそういうことです。

検定合格だけの場合、国内では採用は少ないので、中国やタイ、ベトナムなどアジア圏での採用のほうが可能性が高いです。そういった海外経験を２，３年積めば、日本国内のほとんどの日本語学校などへの応募条件を満たすことができるでしょう。

ただ、質問者さんの「生計を立てる」というレベルが日本で大卒でキャリア公務員や一部上場の民間大企業に就職するような方が得られるような収入と安定した地位をお考えでしたら、検定合格や養成講座修了レベルで国内外の民間学校に就職しても、希望の給与待遇の水準を満たさない可能性が非常に高いです。

もし本気でプロの日本語教師として、生涯働き続けたいとお考えなら、最低でも修士、できれば博士で日本語教育を専門で学んで学位を得ることをお勧めします。そうすれば各国の高等教育機関などで仕事を得る機会がでてきますから。

まずは下記のようなサイトで日本語教師についての基本的情報や求人情報が手に入りますので、ご覧になると参考になるかなとおもいます。

http://www.alc.co.jp/jpn/index.html
http://nihongo-online.jp/net/