解決済み
行政書士過去問より2008-16 (イ) 公職選挙法に基づいて、選挙人又は候補者が中央選挙管理委員会を被告として提起する衆議院議員選挙の効力に関する訴えは当事者訴訟に当たるか。 A. 当事者訴訟ではない 衆議院議員選挙の効力に関し異議がある選挙人又は候補者が選挙管理委員会を被告として提供する訴えは、選挙の効力に関して、選挙人・公職者という自己の法律上の利益に関わらない資格で提起するものであるから、民衆訴訟とされる。 となってるのですが、行政事件訴訟法5条でいう「選挙人たる資格その他自己の法律上の利益に関わらない資格で提供するものをいう」になぜ合致してるのかが、この解説を読んでもピンときません。 選挙人又は候補者が選挙管理委員会を被告として提供する訴えは、選挙人たる資格その他自己の法律上の利益に関わる資格で提供してると思うのですが…どう言うことでしょうか? 御教授お願いします。
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「選挙人たる資格その他自己の法律上の利益に関わらない資格」というのは、噛み砕いて表現すれば、「選挙人という資格や、その他にも、これと同様に個人の権利救済が目的とならない地位・資格」ということです。 憲法でも出てきますが、裁判所の役割はあくまでも「個人の権利救済」です。ですから、単に紛争があっただけではダメで、「①個人の権利救済が問題となる紛争で、②終局的に法的解決が可能なもの」でなければ、司法審査の対象になりません。このような要件を満たす争いを「法律上の争訟」といいます。 ↓ しかし、これだけでは司法審査の範囲が狭すぎるため、様々な制度の違法な部分を裁判所が是正できるよう、法律で司法権の範囲を拡大しています。それが、客観訴訟と言われるもので、個人の権利救済を目的としなくても、法が特に司法審査可能とした訴訟類型です。この客観訴訟の中に「民衆訴訟」という分類があり、衆議院議員選挙の効力に関し異議がある選挙人又は候補者が選挙管理委員会を被告として提供する訴えも、この民衆訴訟に含まれます。 ↓ 具体的には・・・ 「選挙が無効だからやり直せ」という訴えを提起したとして、この訴訟によって、選挙人(有権者)や候補者の具体的な権利が救済される関係にはありません。例えば、Aさんの立候補禁止が解かれて立候補できるようになる・・・といったような訴訟ではないわけですね。選挙というセレモニーの違法を是正するため、広く選挙人という資格さえあれば提起できることとなっています。 ↓ ですから、個人の権利救済を「目的としない」訴訟、つまり、「選挙人たる資格その他自己の法律上の利益に関わらない資格」で提起する客観訴訟(民衆訴訟)ということになります。
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