高圧ガス丙種化学の資格はどういった仕事で活躍しますか？ どういった利点があるのですか？教えて下さい。

Question

高圧ガス丙種化学の資格はどういった仕事で活躍しますか？
どういった利点があるのですか？教えて下さい。

Answer 1

高圧ガス関連の資格は、「液化石油ガス設備士」という資格を除けば、いずれもどこかの会社に雇われなければ使用できない資格ばかりです。

お尋ねの「高圧ガス丙種化学」とは「高圧ガス製造保安責任者免状・丙種化学」のことです。
この資格を取得して活躍する場所は、①高圧ガスをボンベに充てんしている充てん所 ②ＬＰガスを車に充てんしているＬＰガススタンド ③高圧ガスを一定の能力以上の規模で使用している工場 などです。

高圧ガス保安法では「第一種製造者」といって、一定能力規模以上の高圧ガスの取り扱いをしている事業所では、ご質問のような高圧ガス製造保安責任者免状の所有している人を2名以上雇用して、その人に監督させなければいけないことになっています（一部例外あり）。ただし、この監督者になるにしても１年以上の高圧ガスの所定の実務経験が必要となるので、免状を持っているだけではすぐにはこの監督者にはなれません。

しかしながら、資格を所有していればその事業所で高圧ガスの所定の取り扱いを経験すれば１年後には「保安係員」という監督者になることができるので、事業所としては重宝がられるでしょう。上記の「第一種製造者」に該当する事業所に既に勤めている人に対して、何度も受験させ、いつまでたっても合格しない人に金を使うよりも、免状持ちの方が間違いなくありがたいです。大企業より人材の少ない中小企業の方がねらい目でしょう。

丙種化学には、「特別」「液石」と二つの科目がありますが試験は別々です。
法令上の取り扱いは、保安係員に選任する場合にはどちらも変わりませんので好きな方で受験をされればいいのですが、「液石」は「液化石油ガス＝ＬＰガス」のことなので、この資格であればＬＰガスの充てん所、ＬＰガススタンドで働く場合は「液石」方がいいでしょう。
また、液化石油ガスの販売をする場合には、販売する事業所ごとに「販売主任者」という資格者が必要です。この販売主任者については、丙種化学のうち「液石」のみ販売主任者になることができます。「特別（科目）」ではなれません。ただしこの販売主任者についても６ヶ月以上のＬＰガス（液化石油ガス）に関する所定の経験が必要なので、免状を持っているだけでは即座に販売主任者にはなれません。

ＬＰガス以外のガス（例えば、酸素、水素、窒素など。一般ガスといいます）を扱う事業所（工場等）では、「特別（科目）」の方がオススメです。またこらの一般ガスの販売をしている事業所では、丙種化学では販売主任者にはなれませんのでご注意ください。こちらは乙種又は甲種若しくは第一種販売主任者免状という資格が必要です。

そのほかに、高圧ガスを運ぶタンクローリーなどの運転する際にも、この丙種化学の免状所有者ならばでできますが（こちらは高圧ガスの取り扱いの経験不要）、一般的にはもっと簡単な「移動監視者講習」という講習を受ける人がほとんどです。

以上が丙種化学の使い道となります。