解決済み
質問1、仕事の需要はあまり多いとは言えないでしょうね。個人からの依頼や美術館からの依頼もありますが日本の工房は人員に空きがなく常に飽和状態、そこに新たに入りこんで就職する事は難しいです。 専門学校のアシスタントもありますが日本にはこういった専門学校は一校だけしかないので・・・ とりあえず実際工房の方に話を伺ってみてはどうですか? http://www4.famille.ne.jp/~okazaki/ http://aoki-kaiga.com/ http://park17.wakwak.com/~akiyama/koubou.html 質問2、イタリアの法律改正によりトスカーナ州ディプロマを取得しても修復専門技術士となり、Restauratore(修復士)の資格を取るには卒業後公立の学校等に更なる就学が必要です。例え就学を終えても現地工房での就職はビザの問題上不可能に近いです。工房で扱う絵画の依頼主はほぼ教会(一般的に資金に余裕がない)で最低限の保存処置(裏打ちや絵の具層の固着強化のみなど)で終らせる場合も多く利益はあまり見込めません。EU諸国何所の企業でも同じですが外国人を雇うと高い税金を納めなければならずイタリア人を雇うより賃金が高くなります。 工房では就労ビザを申請してまで私達外国人を雇う余裕なんてありせん。工房で作業されてる方達はほぼ勉強続けている人達です。正直、例えなんらかの形でビザを得て就職できたとしても普通に生活していけるだけの給料はもらえないでしょう。 別に仕事して収入源を作らないと難しいです。もしイタリア人と結婚してもイタリアの普通の人は1ヶ月1300ユーロ程度のお給料なので修復のような仕事をしていては生活はかなり厳しいものになります。この職のみで生計が立てられてる人はごくわずかです。 毎年日本から留学生来てますがほとんどの方が留学後は日本で修復に関係ない別の職種についてます。私も修復の道から離れた人間です。原因は将来の生活に不安を感じたから。 2、の質問の回答の結論としては修復技術を学んでも生かして働ける場所はごく限られていて、職に繋げていく事はイタリアであれ日本であれ残念ながらちょっと難しいとこです。資金上の問題も絡んでくるので情熱だけは続けていけない部分もあります。 本気で修復がどうしても勉強したい、やっていきたいと思うなら挑戦してみると良いと思いますよ。でも生半可な気持ちや好奇心のみで学校に入ると、将来への不安、現実に押し潰されてやる気も失い、授業についていけなって時間とお金だけが無駄になってしまうのでよく考えた上でこの先の事決められた方が良いですよ。専門学校の学費、現地研修、留学(学費と現地での生活費)、道具代・材料費含めてかかるお金も決して小さな金額ではないです。 あと専門学校と現地校では理論は同じでも一つ一つの作業やり方や流れ、写真記録の方法、補彩の評価、道具にも違いがあり教えている事に差があります。個人的にはもし修復で留学したいのであれば語学学校に半年位通って直接現地校に入学した方がイタリア語の上達も早く有利だと思います。ただイタリアのやり方が日本の工房で通用するとも限りません。イタリアで扱う絵は大きなサイズで絵の具層を重ねた古典技法の古い絵、一方日本で扱う物はサイズも小さく絵の具層も薄く比較的新しい絵なので修復方法、使う素材が変わるのも当然なんですが、もしイタリアで学んで日本の工房で働く場合には作業ややり方について少し勉強しなおす必用もあるかもかれません。 質問3、絵心は必用です。例えば補彩を例にあげると欠損部分を色々な補彩の方法でオリジナルと自然に調和するように再現しなければいけません。イタリアではオリジナルと補彩部分に区別をつけるために線描で補彩したりします。ある部分想像力も創り手側(画家)の意思、気持ちを知り汲み取る事も必要です。別に絵を描いてないからやっていけないわけではないです。ただ画家の気持ちを知らずしてこの仕事をする事はできませんので、もちろん学校でのカリキュラムにも組み込まれてますが、これからこの道に進まれるなら模写をたくさんして色の使い方、技法、顔料や支持体の素材、絵画の構造をしっかり勉強する事がとても大事になってくる思いますよ。
なるほど:6
< 自分のペースで、シフト自由に働ける >
パート・アルバイト(東京都)この条件の求人をもっと見る
求人の検索結果を見る
< いつもと違うしごとも見てみませんか? >
覆面調査に関する求人(東京都)この条件の求人をもっと見る