現役の通訳者です。 英⇔日と中⇔日の会議通訳をメインに、思い出したころに英⇔日の観光通訳を行っています。 通訳者に必要な民間資格ですが… 実のところ、通訳者を目指すにあたり必要となる資格は一切ありません。 また、日本で就労することのできるビザ(永住権を含む)を取得さえしていれば、国籍も関係ありません。 もし通訳案内業務を行いたいと思えば「通訳案内士(通称:通訳ガイド)」という国家資格を取得する必要がありますし、無資格者が通訳案内業務を行えば法律で罰せられます。 この資格は語学系唯一の国家資格であり民間資格ではありませんし、言いかえれば通訳案内業務を行いたい場合以外は通訳者を目指すに当たり必要な資格は一切ないのです。 英検や中検などの各種民間資格もありますが、これらの資格は受験料を支払ったうえで申し込みさえすれば誰でも受験できる資格です。 現在事実上の廃止状態なので受験のしようがありませんが、以前は「通訳技能検定(通称:通検)」という民間資格が存在していました。 各種資格本などでも通訳者になるためにはこの通検の1級を取得することが必要と紹介する本もあり、また協会側も通訳業務への登竜門といった形で宣伝を行っていました。 ですが、現場の通訳者からすると 「そんな資格をとっても意味がないよ…^^;」 というのが正直な意見の、何のために存在するかよくわからない資格でした。 受験者に事前に案内のないまま協会側の資金繰りの事情で検定が中止されたことが報道されたのも記憶に新しいですが、通訳者になりたくて通検を受験したという方が多くインタビューに応じていらっしゃいましたが…。 私は現場で実際に業務を行っている通訳者ですが、通検は受験すらしていません。 そういう通訳者も多い中、 「通訳者を目指すならこの資格が必要」 といった事実無根の宣伝をする各種民間資格が乱立する現状を、日々腹立たしい思いで見つめています。 通訳者になりたいと真剣に頑張る方々を欺くような行為、決して許せません。 通訳者になるためのルートは「医師になりたければ医学部」「歯科医師になりたければ歯学部」といった確固たるルートがない分、各種民間資格を催す団体が好き放題にあれこれ通訳志望者をそそのかしていますが… こういった団体の言葉は無視していただいて結構です。 質問者様がおっしゃっている資格が具体的にどの資格なのかわからないのでこのような回答にとどめますが、通訳者を目指すに当たり必要となる資格は一切ありません。 前述の通り「通訳案内業務を行うためには通訳案内士という国家資格に合格」する必要がありますが、日⇔中通訳を行うために必要となる民間資格は一切存在しません。 通訳案内士試験は数ある国家資格の中でも最難関に位置する試験ですが、いざ資格を取得したところで活かす場があまりありませんので、観光通訳に興味がなければこの資格は無視していただいてかまいません。 英検や中検などは自分の実力がどの程度なのかを把握する上で受験すると良いと思いますが、具体的に中検何級以上じゃないと通訳者になれないとか、また中検何級以上だから通訳者になれるといった事実は一切ありません。 **試験合格のためのセミナーや各種スクールもありますが、 「**検定*級合格保証」 などの宣伝ならともかく、 「**検定を受験するためには当スクールの**コースの受講が必須です」 と謳うような宣伝は明らかに問題がありますね…。 >あきらかに中国語の勉強の必要はないのですが 文字数に制限がある中での記述なので、質問者様の発言したかった意図とはまったく見当違いの解釈でしたら申し訳ありません。 通訳者や通訳者を目指す者は誰しも等しく、一生学び続ける必要があります。 中国語にしても日本語にしてもスタートはあってもゴールは存在しませんので、明らかに中国語の勉強の必要はないと自分の中でゴールを設けず、これからも積極的に学び続けてください。 自分ではこれで十分通用すると自信を持っていていざ現場に出ようと思っても、現場に出るどころかまだまだ学ぶ必要があるとプロは判断することも多々ありますので…。 質問者様は現状で自分の中国語力は十分だと判断していても、プロがまだまだ不十分と判断する可能性も高いです。 一度、通訳スクールの門を叩いてはどうでしょう? 良くも悪くも自分の中の自信が見事に崩れ去りますし、自分の中の自信が一度きれいさっぱり崩壊することによってより高い学習効果が得られます。 以上、参考までにどうぞ。
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