船の軽荷時には船体が浮き上がってペラも露出して航走できる状態ではありません。 よってバラスト装置により(バラストタンクに海水を張り込む)、 ・ペラを没水させて船が航走できる状態にする。 ・船の重心を下げて時化に遭遇しても転覆しないだけのGMを確保する。 ことがバラストの主目的です。 一方、バルク船は様々なカーゴを積載します。 ・比重の大きい鉄鋼石などを積載するときはバラストは全て排出します。(バラストがありますとそれだけカーゴが積載できません。) ・比重の軽いカーゴ(一例として綿を積載)を積載した時には十分なペラ没水や吃水、GMを確保できませんのでバラスト水を張り込みます。(ホールドにカーゴを満載しても十分な吃水は得られませんので) ・鋼材や重量機械類を積載する時には最適なトリムになるように積載カーゴの積位置を調整します。 貨物船は荷物を積んで運ぶことが使命ですので、重量物はフルデッドウエイトまで積み、軽い荷物の場合はホールド容積いっぱいまで積載します。比重の軽いカーゴであれば追加でバラスト水を入れるような場合もあります。 鉄鉱石などはホールドいっぱいまで積載しますと重すぎて船は沈みます。半積載では航海中に荷崩れが起こり危険な状態になります。従って、鉄鉱石のような重量貨物は満載ホールドと空ホールドのような積み方になります。(オルターネイトローディングです)
写真は日本郵船の自動車専用船が、台風でもない低気圧の下で、バラストタンクへの注水を間違えて沈没した事故ですが、質問者様の言う船長は、バラスト水の出し入れより、貨物の平準化の方が、本船の安定化が簡単だと考えてのやり方だと思います。 超大型のコンテナ船でも、積荷によるバランスの維持は、非常に重要な作業です。
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