通関士試験の過去問について質問です。 第51回通関士試験(平成29年度)に、 「本邦から出国する旅客の携帯品…

Question

通関士試験の過去問について質問です。

第51回通関士試験(平成29年度)に、

「本邦から出国する旅客の携帯品については、口頭により輸出申告を税関長がさせることができるとされているが、外国為替令第 8 条の 2 第 1 項第 2 号(支払手段等の輸出入の届出) に掲げる貴金属(金の地金のうち、当該金の地金の全重量に占める金の含有量が90%以上のものに限る。)であって、その重量が 1 kgを超えるものを携帯して輸出する場合には、税関長に対して支払手段等の携帯輸出申告書により輸出申告をして許可を受ける必要がある。」
という問いがあり、正解は◯となっています。

これについて、最後に「輸出申告をして許可を受ける必要がある。」と書かれていますが、これは「届け出なければならない。」の誤りではないのでしょうか？

市販の過去問題集や通関士ポータルには、根拠法令として関税法第 67 条、関税法施行令第 58 条、外国為替及び外国貿易法第 19 条 第 3 項、外国為替令第 8 条の第 1 項第 2 号、同令 8条の2 第 1 項第 2 号、同令第 25 条第 1 項第 2 号、外国為替に関する省令第 10 条 第 1 項第 3 号が挙げられていますが、

・外国為替及び外国貿易法第 19 条 第 3 項
→ 許可を受ける義務を課することができる。
受けないものについては届出が必要。
・外国為替令第 8 条の第 1 項第 2 号
→（許可を受けるものは）告示により指定してするものとする。

ここでいう告示というのが
「外国為替及び外国貿易法第十九条第二項の規定に基づく財務大臣の許可を受けなけれ ばならない貴金属の輸出又は輸入を指定する件(平成十八年財務省告示第四百四十三号)」を指すのであれば、当該支払手段等については、告示に掲げられているものではなく、許可を受ける必要はなく、届出なのではないかと思います。

或いは、この告示は廃止され、別の告示が出ているのでしょうか？これについて、最近の告示が見つけられず、併せてご存知の方がいらっしゃれば、ご教示願います。

Answer 1

外為法と関税法の両方の手続きがあってめんどうです。
関税法施行令58条
第五十八条 輸出しようとする貨物についての法第六十七条（輸出又は輸入の許可）の規定による申告は、次の各号に掲げる事項を記載した輸出申告書を税関長に提出して、しなければならない。ただし、税関長において当該貨物の種類又は価格を勘案し当該各号に掲げる事項の記載の必要がないと認めるときは、その必要がないと認める事項の記載を省略させ、また、当該貨物が旅客又は乗組員の携帯品（外国為替令（昭和五十五年政令第二百六十号）第八条の二第一項第一号（支払手段等の輸出入の届出）に掲げる支払手段又は証券に該当するもの及び同項第二号に掲げる貴金属に該当するものを除く。）であるときは、口頭で申告させることができる。

上記のように外国為替令第八条の二第一項同項第二号に掲げる貴金属（届を要する貴金属になるので金の地金のうち、当該金の地金の全重量に占める金の含有量が90%以上のものに限る。)であって、その重量が 1 kgを超えるものに限定）、については口頭申告の対象から除外されています。

そのため関税法では書面による輸出申告が必要であり、外為法では届け出が必要になります。

しかしいくらなんでも二重の手続きは不合理なので、
外国為替に関する省令
第十条
６ 居住者又は非居住者が、関税法（昭和二十九年法律第六十一号）第六十七条の規定により支払手段等の輸出又は輸入について書面により申告を行い、その許可を受けているときは、当該申告に係る書面を第三項に規定する届出書と、当該許可に係る書面を第四項に規定する届出受理証とみなす。
として金金属について関税法の輸出申告をして許可を受けたら外為法の届け出も終わったことにするよ、となっています。

Answer 2

素人ですが、申告するのだから、許可が自然では。

以下の書類でも、許可、という言葉を使ってます。
場合によっては許可しない前提だと思います。

https://www.customs.go.jp/kaisei/zeikantsutatsu/kobetsu/TU-H20z0591.pdf