書店と出版社の間に日販などの取次業者があるのはなぜですか？

Question

書店と出版社の間に日販などの取次業者があるのはなぜですか？書店と出版社が直接やりとりした方が早い気がするのですが…

なぜわざわざ取次が必要なのでしょうか？

わかる方ご回答お願い致します。

Answer 1

出版社が新刊を発行して、それを売ろうと思った場合で説明します。

【取次がない場合】
1）出版社が全国の書店に「こんな本を発行したよ」と連絡する
書店の仕入れ担当者に、「こんな本を発行しました」「こんな内容です」「1冊○円です。サイズはこれくらいです」と説明します。これを、書店の数だけ繰り返します。

2）書店ごとに注文をとって、商品を発送する
書店ごとに購入してくれる冊数は違います。A店は10冊、B店は50冊、C店は25冊…と、それぞれ注文を受け、納品書を作り、梱包して発送します。これを、注文してくれた書店の数だけ行います。

3）書店ごとに在庫を確認し、追加発注や返本作業を行います
書籍は生鮮食品等と違い、納品したらお金を払って終わりではありません。一定期間店頭に並べて売れなかったら、出版社に返品します。在庫管理や返品伝票のやりとりなども、書店の数だけ行います。

出版社は営業・商品発送・伝票作成・在庫管理や金銭管理を、書店の数だけ行わなくてはなりません。書店も、出版社の数だけ同様の作業が必要になります。

【取次がある場合】
1）出版社が取次ぎに「こんな本を発行したよ」と登録する
出版社が取次に、発行年月日や内容・値段やサイズなどを登録します。すると取次ぎが、全国の書店に一斉連絡してくれます。

2）書店は取次に注文し、出版社は取次に商品を発送する
出版社が取次にまとめて商品を発送すると、取次が書店ごとに注文を振り分け、発送してくれます。

3）追加発注や返本作業も取次ぎがまとめて行う
書店が出版社に書籍を注文すると、出版社は取次ぎに書籍を送ります。取次ぎはその書店が注文した本をまとめて、発送します。返本などもまとめて行えます。

出版社は登録や商品発送が取次だけですむので、送料や手間を省くことができます。書店は人気の本を大量に仕入れたり、売れなかった本を一括して返本したりすることができます。

出版社は全国に4000以上あり、書店は全国に1万以上あります。それぞれが個別でやりとりしてたら、発注作業も発送作業もえらいことになると思います。「1万件の書店に、新刊が出ましたって告知電話をかけて」と言われたら、私なら発狂します。1件1分としても、1カ月くらいかかりますよ…。

もちろん、取次を通さず書店と直接やりとりしている出版社もあります。ごく狭い範囲の情報を取り扱っているタウン誌や、一部の学校でしか使われない参考書（大学の授業で使う専門書など）のように、「このエリアの書店・この学校の近くの書店でしか売れない」と分かっている書籍は、取次を通さず書店に直接納品されたりしてます。

Answer 2

卸売屋さんとしての機能を果たしてるのだ。

スーパーだって農家や漁師から直接商品を買い付けてるわけじゃないぞ。卸売屋さんから買っているのだ。スーパーには何千種類もの商品があるのに、それ全部直取引やったらお金のやりとりメッチャ大変だよ。「えーと商品0001はサンマだから○○県の漁師○○さんに何ダースよこしてくれって連絡して、不漁だったら入金ストップして別の漁師さんに依頼して、商品0123は牛乳だから○○県の農家○○さんに代金支払いの連絡をして、商品0444は不人気商品だから○○県の〇×社にもう取扱やめるって連絡して……ギャース！」ってなるよ。運送費もとんでもないことになるよ。

だから製造元と小売店の間に入って面倒ごとを担当してくれて、かつ複数の小売店を効率よく回ることで配送コストを抑えてくれる中間業者がどうしても必要なんだ。それは書籍だって同じことなんだ。

でも直取引のほうがメリットあるよねって商品は直取引もやったりするのだ。どういう状況で直取引のメリットがでるかはお店の経営状況や立地や経営方針しだいで変わるよ。