アニメーターと漫画家は、どちらが重労働ですかね？

Question

アニメーターと漫画家は、どちらが重労働ですかね？アニメーターの方が給料が安くアルバイトをしながらでないとやっていけないと聞きました！
それでいて全然評価されなくて離職率が高いと聞きます！

Answer 1

よぉ、経験者だぜ。答えてやるよ。

対象は今の線が多いアニメを描くアニメーター、ある程度作画に時間を要する漫画家を対象とします。(同人活動が主な漫画家は対象外)

この条件で結論を言うと、実は漫画家の方が果てしなく大変です。

【労力のみの大変さ(大体)】
漫画家(高クオリティ原稿)>アニメーター(動画マン)≒アニメーター(納期ギリギリメイン原画マン)≧漫画家>アニメーター(原画マン)

【精神的な負担】
漫画家>>>>>>…>アニメーター(動画マン・原画マン）

【鬱度】
漫画家(売れない)>アニメーター>>>×１万>大物アニメーター>×１万…>売れてる漫画家

となります。あくまで目安です。

お金に関しては漫画家の収入にばらつきがあるのでここは割愛します。

アニメーターの場合を見てみましょう。

単価だけで言うと、アニメーターの動画マンに当たる人は入りたての人は1万円以内、慣れてきた人でも多くて5万円いくかどうかなので、とても生活できません。

それでも続けられる人がいるのは、実家から通っている、貯金がある、仕送りをもらうなどのバックボーンがあるからです。

ここからですが、昇格して社内原画マンになる。あるいはフリーの原画マンとしてどこかしらの会社と契約して半拘束されれば、場所によっては大卒サラリーマンと同じかそれ以上の収入をもらうことができます。場所によっては定時で帰れて負担が少ないところもあります。

昇格さえしてしまえば、収入自体は労力と比べると良くも悪くもない感じで、このまま続けても悪くはない感じにはなるのです。

そしてアニメーターの精神負担が少ない理由なのですが、２つあります。

ひとつはアニメーターは評価されたくて入る人はほとんどいないからです。大体は絵が好きか動かすのが好きで入ります。

ふたつ目は責任の薄さです、アニメの完成自体は実の所人海戦術でどうにかなるからです。

アニメーターからすればたかがいちスタッフでしかないので、適当に原画を制作さんにブン投げてほっとけば勝手に完成してしまうのです。

それでもアニメーターが労力を割くのは、作画にすがりたいからです。それが彼らのプライドですから。

アニメーターの”大変”とは実は、同僚と「仕事って大変だよなーｗ」と談笑する感じの大変さなのです。
(ぶっちゃけそれなりのパラパラ漫画描けりゃ誰でもなれる)

続いて漫画家ですが

原稿料、背負わされる責任、時間と収入になるまでの労力、ギャンブル運、どれをとっても洒落になりません。

アニメで例えると監督演出脚本作画、制作スタッフらのマネージャーを担当することになります。分業もできますがアシスタント代などは全部自分持ちです。

アニメーターの場合は動画マンの時点で収入(雀の涙)はありましたが、漫画家の場合は原稿を出版社に買い取ってもらうまで収入は一切ありません。大体バイトか仕送りでやりくりします。

雑誌掲載に至るまでは編集さんと何度も打ち合わせする、ネームを書いて見せては直す、通ればようやく作画(だいたい一人でやる)という流れが基本的にあります。

この過程を半年～１年、芽が出なければそれ以上かかりますがこの時点で収入は一切ありません。この期間で上手い動画マンの人はとっくに原画マンに昇格してます。

さらにデビューしてもギャンブルと人気競争が待ってます。売れなければ労力に対して見合わない原稿料で生活、生活できなくはないが贅沢ができない、生活を守るために漫画を描くというむしろ残念な気持ちが芽生え始めます。この状態になるといつの間にか歳を取っているのです。

もうお気づきかもしれませんが、漫画家は売れなければ一生鬱です。そういう両極の中にいるのです。

そして売れてもさらに精神的な重圧が待っているのも忘れてはいけません。勢いに乗ってるときに原稿は落とせないし、商業的に良い原稿を仕上げるためにクオリティを保たなくてはいけません。まあここまでくれば逆にアドレナリンエンドルフィンがビュービュー湧いて幸せかと思いますが・・・

売れてる人は頭一つ抜けています。売れるまでのこんなにも苦しい漫画の過程で鬱になりませんから。
作家としてというより人として、生まれ持った人のめぐり合わせや出会いや閃きや運が逸脱しているのです。

なので、そんな僕はアニメーターにも漫画家にもなれず同人作家やってるわけです。人気ジャンルに媚びて甘い汁吸っていこうな。

と、長くなりましたが、改めて書くと漫画家のほうが大変だということです。
こちらの駄文で参考になりましたでしょうか。最後まで読んで頂きありがとうございました。