宅建は昨年、社労士は一昨年合格しました。 その経験から個人的な見解を述べると、宅建と社労士とではもはや比較になりません。 宅建は空き時間に継続的に勉強しただで、 苦も無く受かりました。 一方、社労士は本気モードで必死に勉強して やっと合格したといった感じです。 正直「運が良かった」と思っています。 合格圏内の実力はあったと自負しています。 (予備校の模試で常に2桁以内の順位でした) それでも、「最後は運」が必要でした。 書店で売っている所謂「基本書」で 言えば、宅建1に対し 社労士1.5くらいの 分量でしょう。 しかし、これをもって社労士は宅建の1.5倍 の暗記量と思ったら大間違いです。 なぜなら、宅建は書店で売っている 1冊本=基本書を8割も覚えれば、ほぼ 間違いなく合格できます。 近年、難易度が上がっていると言われて いますが、それでも合格の可能性は高いと 言えます。 一方、社労士は、一冊本だけでは択一合格 ラインに乗るかギリギリのところです。 しかも、宅建は内容を理解するための説明 にそれなりのページを割いているので、 実際に覚える事項は少なくなります。 社労士は、一冊本で択一の合格ラインに乗 ろうと思ったら、ほぼ全て暗記する必要が あります。 さらに、必要とされる記憶の正確さも 段違いです。 宅建は設問を見て、 「そういえば見たことあるな」という 曖昧な記憶で正解枝を導出できる問題が 多いです。 社労士は「てにをは」や普通なら読み 飛ばしてしまうような語句が死活を分ける ので、細部まで正確に覚えなくてはなりま せん。 こうしたことも勘案すると択一だけで 社労士は宅建の最低3倍程度の記憶が必要 となります。 しかも、社労士試験の場合、 「択一で合格ラインの実力がついてからが 本当の勝負」と言われています。 なぜなら、真に合否を分けるのは選択試験 だからです。 とはいえ、選択試験は択一の延長なので、 択一で合格水準にあれば7~8割は難なく 解答できます。 問題は残る1~2割です。 社労士試験には択一、選択ともに 「足きり」と言われる、各科目で最低限 これだけの点数は取らなくてはいけない という基準があります。 択一は7科目の各科目が10点なので、 たいてい4点取れば足きりは回避できます。 (試験要項等、公式にはそのような記述、 アナウンスはありませんが、ほぼ間違いありません。救済と呼ばれる措置が採られた 場合は3点以下の場合もあります) ところが、選択は各科目5点満点のうち、 通常3点以上取る必要があります。 つまり、ミスできるのは5問中たっの 2問だけです。 にも係わらず、選択8科目のうち1科目は 受験生の99.99が見たことも聞いた こともないような問題が出題されます。 そのような科目で3点確保するのは至難の 業です。 これが、「社労士試験は最後は運ゲー」 と言われる所以です。 このような科目は、全受験者の正解率が 極端に下がります。 そこで試験実施機関は得点調整のため救済 措置を採り、本来3点必要なところ、2点 あるいは1点で合格できるようにします。 (公式にはこのような理由で救済していない とアナウンスしていますが) なので 「選択で難問が出ても、救済されるから 気にする必要はない」 という意見もあります。 しかし、これをそのまま信じるのは危険 です。その理由は (1)しっかり勉強してきた者と、ろくに 勉強せず記念受験状態の者とでは落とす 科目が一致しないことが多い。 (2)情報公開制度を利用して、試験機関・厚労省に試験結果の情報開示 請求するもの が出てきた からです。 どちらも詳細に説明すると超長文になる ので、ここでは割愛します。 簡単に言うと、(1)は努力した者が救済 されず、努力しない者が救済されるという 理不尽な結果になります。 努力しない記念受験組は、そこだけ救済 されても他の選択科目、あるいは択一科目 で合格点を取れないので、結局不合格に 変わりなく、得するわけではありません。 (2)は、(1)のような理不尽な救済 措置に腹を立てた受験生が試験機関・厚労 省に情報開示する事例が増えたことで、 下手に救済して追求されるのを嫌って救済 そのものをしなくなったという説があり ます。そのため、直近2年間の合格率は5% を切っています。 (もっとも救済措置そのものは実施されて います。 ただ、以前なら救済が入ったであろう科目 が放置され、救済が最小限になったと言わ れています) つまり、「難問が出ても救済されるから 大丈夫」という安易な発想は危険という ことです。 長々と書きましたが、このように社労士 試験は宅建のように 「一定の努力をすれば、たいていの サラリーマン・主婦が合格可能」 という試験ではなくなりました。 もちろん、上位資格の税理士・司法書士、 ましてや司法試験などに比べれば暗記量・ 問題の質ともに見劣りします。 とはいえ、宅建は勿論、数年前まで 同レベルと言われていた行政書士などと 比べるても、次元の違う試験になったと 言えます。 人それぞれ能力、適性、過去の学習経験 などが違うため、定量的にどちらがどの 程度難しいというのは困難です。 それでも敢えてザックリ言うと、 社労士合格に必要な勉強時間は宅建の 3~5倍くらいは必要でしょう。 しかも、前述のように運の要素が強い選択 科目があるため、宅建と同じくらいの勉強 時間でも合格する可能性がある反面、 何度やっても合格できない可能性が多分に あります。 宅建と同じマークシートだからと安易に 挑戦すると、人生の貴重な時間を無駄に することになりかねません。 社労士試験にそこまでの価値を見いだせる かは人それぞれでしょう。
なるほど:5
宅建合格、社労士不合格ですが、… 数百倍くらいかなぁ。 社労士に科目別足切りが無かったとしても、数十倍。 科目別足切りが有ることで、さらに10倍。
なるほど:3
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