解決済み
行政書士の問題でXが死亡し、Xの子BCがX所有の土地を2分の1ずつ共同相続したが Bが勝手に単独相続したように登記し、同土地をAに売却した場合 AはCに対して土地全部の所有権の取得を対抗することができる 解説は BはCの持分については無権利者からの譲受人にあたり Cの持分については所有権を取得することはできず AC間は対抗関係にならない 当該土地の所有権はCに帰属し、たとえAが登記を備えたとしても当該部分につきCに対抗することはできない とありました これはよくわかりますし納得できました ところが別の問題では Xの死亡後、Xの子ABがX所有の土地を共同相続したが 同土地をAの単独相続とする遺産分割協議がされた場合 協議がなければBが取得したであろう持分を差押えたBの債権者Cに対し Aは登記を備えなくても土地全部の所有権の取得を対抗することができる という問題では解説は 遺産分割は相続開始の時に遡ってその効力を生ずる(909条) しかし第三者との関係では相続人が相続によりいったん取得した権利につき 分割時に新たな変更を生ずるのと実質上異ならない そして判例は土地に対する相続人の共有持分の遺産分割による得喪変更については民法177条の適用があり 対抗問題として処理されるものと解している つまり遺産分割により相続分と異なる権利を取得した相続人は その旨の登記を経なければ分割後に当該不動産について権利を取得した第三者に対し 自己の権利の取得を対抗することができない したがって、ABの遺産分割協議により 同土地がAの単独相続になった場合 Aは協議がなければBが取得したであろう持分を差押えたBの債権者Cに対して 土地全部の所有権の取得を対抗するには登記が必要である とありました 遺産分割協議でAの単独相続になったとはいえ、 最初は相続人Bも相続により、いったん権利を取得したのであれば先の問題と同じで しかもAC間は対抗関係ではないのではないの?って思ってしまったのですが… そもそも得喪とは「得たり喪失したり」という意味だと思っていたのですが他に特別な意味があるのでしょうか? わかりやすく教えてください よろしくお願いします
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まず、先の問題について、XをBCが共同相続しているので、現在の土地の所有者はBCの共有になります。 それに対し、後者の場合はXをABが共同相続したのち、分割協議により相続開始の時点からAの単独相続となりました。(民法909条によりBは初めから権利を取得していなかった事になります) ここでの違いは土地の所有者がBCの二人(法定相続)か、Aの一人だけ(分割協議による任意相続)かというところにあります。 先の問題ではBが勝手に単独相続したような登記をしたので、Cの持ち分については無権利者となり、売買は無効なのでAは登記を備えてもCに対抗できないことになります。 この問題はいわば無権利者による売買、177により保護されるかという登記の公信力に論点があります。 後者の場合、物権変動があり、その内容が当事者だけではなく、第三者にも分るような外貌(不動産の場合は登記)を備えた時は、その外貌を備えた方の権利を優先するという登記の公示力が問題となっています。 本来、相続とは法律で相続割合が決まっていますので、なにもしなければ法定相続分によりそれぞれが持ち分を取得します。 しかし、分割協議により任意相続分を定めた場合、法律にない割合で分割しているので、その分は各自登記を備えて公示してくださいという制度になっています。 この場合、登記をしていなければ、債権者であるCは当然法定相続分による相続だと思いますので、Bにも所有権があると思って差し押さえを実行します。 勝手に相続割合を変えていながら登記もしなかった人と、法律を信用して法定相続分を差し押さえた人では、前者の方が落度があるので、民法は後者の法定相続分を信用して差し押さえをした債権者Cを保護することにしました。 任意で相続割合を設定することは可能ですが、177条による保護を受けるためには、その登記をしないと第三者には対抗できないという趣旨になります。 なので、この問の場合、実際にはすでにBに所有権はありませんが、登記をしなかったためにAはBの分を負担し、結果AC間は対抗関係に立つということになります。
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