私立高校教員と医療技術職について 高2の男子です かねてより、医療関係の職業に就きたいと考えていたのですが、高…

Question

私立高校教員と医療技術職について

高2の男子です
かねてより、医療関係の職業に就きたいと考えていたのですが、高校に進学してから、高校教員にも興味が出てきました。
私が尊敬する先生に教員について尋ねたところ、教員は非常にやりがいがあり、主体的に仕事ができる職業だとおっしゃいました。
また、私立高校ならば、異動も少なく、一箇所におちついて仕事ができるそうです。
また、先生によると、平均年収は一千万円近くで、時間外勤務も公立高校よりも短く、受け持ちコマ数は週10コマ程度で、専任教員の割合も公立よりも高かったり、福利厚生なども公立高校よりも充実しているようなので、高校教員になるならばできれば母校の私立高校の専任教員を考えております。

その一方で医療技術職には、人の健康を支えるというやりがいがあり、高齢化による医療需要の増加といった将来性もあると思います。医療技術職になるならば、地元の民間総合病院を考えております。

そこでみなさんにお尋ねしたいのですが、
仕事の実態について
労働時間について
収入面について
資格取得について
将来性について
採用について
働きやすさ
などを勘案してどちらが私に向いているかを総合的に教えていただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。

私の情報について
私立高校2年
理系
慢性疾患(経過観察程度)で定期受診を要する
大学レベルは学芸、横国、千葉、筑波を考えている

Answer 1

高校で国語を教えています。そこで、私立高校の教員について、お伝えできたらと思うのですが・・・。

あなたの先生が仰ることは本当ですか！？
そんな高校があるのならば、ぜひ就職させていただきたいのですが！

高校の教員が「やりがいがあり、主体的に仕事ができる」点は同感です。

しかし私立高校は基本的に異動がないため、「一箇所におちついて仕事ができる」反面、人間関係やその他のトラブルにおいて、とりあえず異動して様子を見ることができないため、大変難しい面もあるのです。

さらに、「平均年収は一千万円近く」は大変に疑わしい。
例えば進学実績がすごい、部活での指導実績がすごい人には高給が与えられるかもしれませんが、一方でいつまでも非常勤（要するにアルバイト）、常勤（例えるなら契約社員）という扱いで「講師」のままにされ、昇給もなしでこき使われている人もいます。
一握りの、有名な人だけではないですかねぇ。

「時間外勤務も公立高校よりも短く」
これはウソ。
私立高校は実績が命です。
実績をあげるために、様々なことをします。
実績が下がっても給料には響かない、クビにもならない公立と違って、私立は常に「自主的に」様々な努力を強いられます。

「受け持ちコマ数は週10コマ程度」
これは・・・、もし事実だとしたら驚きです。
例えば公立中学校の場合は２０コマ程度はざら、公立高校でも１７～２０時間程度は担当します。
こんな担当コマ数が少ない人は（公立でも私立でも）聞いたことがありません。
もっとも、拘束時間は同じですので、自由時間が多いという意味ではないと思います。

「専任教員の割合も公立よりも高かったり」
これはウソです。
私立の方がいわゆる「非常勤講師」の割合は高いです。
講師の募集を探すと、圧倒的に私学の方が見つかりやすいです。

「福利厚生なども公立高校よりも充実している」
これも残念ながら、違います。
公立の場合は、都道府県（あるいは市町村）単位での福利厚生になりますが、私学の場合は「私学協会」あるいはその私学独自の福利厚生になりますので、充実とはいえません。規模が小さいからです。

私学には確かにメリットがあります。
卒業後、何年経っても遊びに行くと恩師がいる。
本当にうらやましいし、母校であるということにも特別な思いを抱ける。
特に部活指導においては、異動がなくて長期的に指導できるということは大きなメリットがあり、かつ生徒を集めたりする点を含めても、現在、多くの私学が活躍していることは、メリットがあることを雄弁に物語っています。

しかし圧倒的に母数が少ないのです。
あなたが大学を卒業するとき、たまたま母校に空きがあるといいですけどね、誰かがタイミング良く退職しないと、あなたを採用することは物理的にできません。

さらに、慢性疾患で定期的に通院が必要だとか。
もしライバルが出現したら、通院が必要な人を積極的に採用するとは思えません。
どのようなご病気なのかはわかりませんが、教員の仕事も体力仕事なのです、健康第一なのですよ。

なんとなく全体に、ネガティブなことばかり書いてしまいましたが、私自身、教員になりたくてなって、今も教員にやりがいを感じて続けています。
とても魅力的な仕事だとも思っています。
しかし、同時に理不尽にバッシングを受け、傷つくことも多い仕事でもあります。

あなたに話をした「尊敬できる先生」は、素晴らしい先生かもしれませんし、あなたに夢を持ってもらいたかったのかもしれませんが、もう現実を見るべき高校２年生に対して、少し良いところばかりを語り過ぎなような気がします。

私が申し述べましたようなデメリットを考えても、それでも「教員を目指したい」と思うのならば、その情熱を大切にしてもらいたいと思いますし、「思っていたのとは違う」と思うのならば、目指すのは止めた方がいいと思います。

まだまだ人生これからの年齢ですから、他の選択肢も視野に入れて、大いに迷い、自分に合った選択をしてくださいね。