塗装工をしている者です。 将来、独立を考えておりますが｢一級塗装技能士｣の資格は独立の際し、有利でしょうか？

Question

塗装工をしている者です。
将来、独立を考えておりますが｢一級塗装技能士｣の資格は独立の際し、有利でしょうか？

Answer 1

有利というか、塗装工の会社を自分で開く場合、その資格がないと一定以上の金額の工事を請け負うことができません。なので、塗装に限らずですが、資格を揃えることは必要です。もちろん、実務経験や技術を高めるのもお忘れなきよう。

Answer 2

独立の意味合いにもよりますが、今は有利と思えることが非常に少ないと思います。

塗装工の仕事は大きくふたつ分けられると思います。

ひとつは元請けからもらう仕事。

マンションやビルの新築や改修工事、公共工事など、元請けから仕事をもらい下請けや孫請けなどの場合になると思いますが、まず一級塗装技能士が有利になる話は聞いたことはありません。

たぶんすでにお仕事をされているので、この点に関していえば感じていることだと思います。

元請けの発注側も特に塗装の場合の資格のメリットを感じていないからでしょう。

もうひとつは、戸建て営業などで、お客さんから直接仕事をもらう仕事です。

外壁塗装の戸建て営業の場合、消費者であるお客さん自身、塗装に国家資格があるのかも知らない場合が多いので、その前に知ってもらうという前提が整えば一級塗装技能士によるメリットがあると思います。

ただ、世間一般の人が塗装に資格があると思っている人は少ないです。

ですので、一級塗装技能士という知名度が広く知られることになれば、有利になる状況になることが多くなると思います。

一級塗装技能士資格の監督省庁は厚生労働省ですが、その管轄下にあるのは職業能力開発協会などです。

それぞれ技能士試験などの告知はしていますが、一般消費者に対しては塗装という業種に資格があるのか、あってもそれが良いことなのかなどの周知活動はまったく行われていません。

そこには塗装工事をする際に規制というものが存在しないという理由があります。

宅建取引主任者資格のように、高額な不動産を取引きするためには、非常に事細かい法令によって規制がされています。

お客さんにわざと不都合を与える行為などは、すぐ行政処分か免許取り消しです。

でも外壁塗装のようにある程度高額になるリフォーム工事の場合でも、お客さんが余程のことで訴えない限り、何ら問題になることがありません。

すこし不思議ですよね。

私はこの業界に20年以上いますが、資格に対しての行政処分という話は一切聞いたことがありませんし、あるのかどうかもわからないほどです。

そもそもこの点もよくご存じかと思われますが、塗装屋は資格などが無くても、脱サラしてもすぐ開業することもできるほどですよね。

脱サラしている本人に現場経験が無くとも、営業力があれば職人を雇うか下請けに仕事を投げれば塗装屋ができます。

特に戸建て営業の外壁塗装にはこれが当てはまるわけですが、規制があったとしても無いのと同然なので、いつまで経っても悪質業者の数は減りませんし、業者全体の資質も低いままです。

規制があって、一級塗装技能士しかできない仕事というものがあればメリットも多くなると思いますが、何も規制がない中で、一級塗装技能士でなければならない理由がない以上、今後も一級塗装技能士が恩恵を受けることは少ないと思います。

ただ逆に、資格取得のメリットがあるのかどうかもわからない状態で、一級塗装技能士を努力して取るということは、少なからず塗装職人として、プライドを持っている証拠でもあるのではないでしょうか。

きっとその点を評価してくれる元請けやお客さんがいるはずだと思います。
今後は行政側の取り組み次第といったところですね。

あと、仕事する環境によっては、このように一級塗装技能士が無意味になってしまうこともあるので、プライドは持ち続けたいですね。
http://www.nuru.co.jp/ginoushi-disadvantage/ginoushi-disadvantage.htm

頑張ってください。