小学校二年生の男の子がおります。担任の先生から、黒板の赤いチョークが見にくいと言っていた事を聞き、保健室で学校用の石原式…

Question

小学校二年生の男の子がおります。担任の先生から、黒板の赤いチョークが見にくいと言っていた事を聞き、保健室で学校用の石原式色覚検査をしてもらったのですが、全てが色覚異常がある方の答えでした。普段、生活の中では色もわかるし、気がつく事ができませんでした。どの程度の異常なのかが気になります。石原式では、程度まではわからないとの事ですが、そうなのでしょうか。主人ともに、周りには色覚異常の方がいるとは聞いた事もなく…
詳しい検査をすべきか、治療方法がないからやらなくてもと言っている書き込みも見ますが、子供のメンタル面や、周りからの差別の問題もありますし、これからをどう考えたら良いか悩んでおります。
色覚異常に携わるお仕事をされておられる方や、同じようなお子さんをお持ちの方、ご意見いただけるとありがたいです。
よろしくお願いします。

Answer 1

以下に私(自分自身が色覚異常)の私見を述べます。

治療法がないから詳しい検査をやらなくてよいというのは間違いと思います。色覚異常は進学や就職に影響があります。自動車運転にも影響があります。結婚にすら影響します。ですから、詳しい検査はすべきです。ただし、小学校二年生の段階で、その詳しい検査をするのは早すぎると思います。中学生ぐらいになって、将来のことを現実的に考えられるようになってからでよいと思います。

それから、周りからの差別はないと思います。自分での不便はたくさんありましたが、少なくとも私は差別されたことはありません。人によっては、色覚異常者がパイロットになれないのは差別だと言う人もいますが、冷静に考えれば、大勢の人命を預かる極めて高い安全性を要求されるパイロットという職業に就けないのは決して差別ではありません。人命を守るための必要な要件というだけです。他にも、主に人命を預かる職業には就けない場合は多いと思いますが、それは差別ではありません。

進学や就職における色覚制限は大幅に緩和されました。私自身も理科系に進みましたが、入試の際に特に問題にはなりませんでした。しかし問題は入学後で、実験やら観察やらで色が分からず、非常に苦労しました。就職時にも色覚は問題になりませんでしたが、いざ仕事を始めるとやはり影響があり、仕事内容を変えてもらえないか上司と交渉中です。

詳しい検査というのはいくつかありますが、パネルD-15テストというのが一番良く使われています。石原表の検査で引っかかっても、パネルD-15で問題なければ、日常生活にあまり問題ありませんし(例えば車の運転にもほとんど影響ない)、職業選択の幅もかなり広がります。逆に、パネルD-15も引っかかる場合は、慎重に進学先や職業を選ぶ方が良いでしょう。

しかし、冒頭に述べましたように、まだ小学二年生では時期尚早と思いますので、もっと大きくなってから検査を受けられた方が良いと思います。ちなみに、私は小学校入学時に石原表で引っかかっていましたが、パネルD-15を受けたのは高校三年生の時でした。

現在、黒板の赤いチョークが見えづらいことなどは担任の先生に伝えて、席を前にしてもらう等の配慮をしてもらえばいいと思います。写生等で少し色が違っていても配慮していただくようお願いするのも良いと思います。小学校の間はそれぐらいでいいのではないでしょうか。

あと、一つだけ気になった点ですが、「主人ともに、周りには色覚異常の方がいるとは聞いた事もなく」と書かれていますが、色覚異常の遺伝のメカニズムは解明されており、お子さんが男の子の場合、その子が色覚異常になるかどうかに父親は全く関係がなく、母親が色覚異常の保因者である(自分自身は色覚正常であるが、色覚異常の遺伝子を保有している)かどうかのみによって決まります。うちの場合も父は色覚正常、母が保因者でしたが、母はそれをなかなか認めず、私の色覚異常が発覚したとき、夫婦大喧嘩になりました。私は自分の色覚異常そのものよりも、そのせいで両親が大喧嘩したことの方がショックが大きかったです。