前の会社でしたお仕事を自分のホームページにのせる

Question

前の会社でしたお仕事を自分のホームページにのせる私は以前デザイン事務所に正社員として勤めていて、
現在、その会社を辞め他のお仕事をしているのですが、
時々イラストなどのお仕事をいただくのでホームページを作ろうと思っています。

その際、前の会社で描いたイラストでいくつかお気に入りがあるのでのせたいと
悩んでいるのですが、やはり会社さんに属してやっていたお仕事は
そちらに著作権のようなものがあるからのせない方がいいのでしょうか？

フリーになったイラストレーターさんやデザイナーさん、
どうなされていますか？

フリーでなされたお仕事でもクライアントさんの許可をとってから掲載しておりますか？
（もちろんそのデザインなどが世に出てからなのは承知ですが）
回答お待ちしております。

Answer 1

関係者ではないですが、回答が入っていませんのでひとこと。

著作権法15条に「職務上作成する著作物の著作者」の規定があり、質問者さんのお尋ね事項に該当します。まず全文を載せますと、

第15条第１項 法人その他使用者（以下この条において「法人等」という。）の発意に基づきその法人等の業務に従事する者が職務上作成する著作物（プログラムの著作物を除く。）で、その法人等が自己の著作の名義の下に公表するものの著作者は、その作成の時における契約、勤務規則その他に別段の定めがない限り、その法人等とする。

第２項 法人等の発意に基づきその法人等の業務に従事する者が職務上作成するプログラムの著作物の著作者は、その作成の時における契約、勤務規則その他に別段の定めがない限り、その法人等とする。

以上から、もともと著作権に関して著作者そのものに権利があるよう会社が認めている場合は別に、原則として会社の職務として行った会社員の著作物は、その著作の権利は会社側に帰属してしまうこととなります。

たとえば、サンリオのキティちゃんは現デザイナーが３人目で、ひとつのキャラクターの担当を別の社員が引き継ぐことでは、会社に著作権があってこそ為せるワザだと言うしかないです。

ですので、いま質問者さんがこういうお尋ねをされていること自体、会社の退職時に全作品の著作権を会社から引き上げることのできない体制だった可能性が決定的に高く、念のために問い合わせてみられることはそれなりに意義があっても、あまり期待は持たれるべきではないと思います。

無断掲載はもってのほかで、フリーランスとしてやっていくうえでは、独立後に手がけ著作権を所有する作品だけをオリジナルと銘打って載せることが一番手堅いです。現在の作風を最も表現できていようし、一方で会社員時代の仕事はいかに会心作であっても、各方面からの指示命令でオリジナリティには欠けていたかも、ですので・・・

※余談ですが、キティちゃんの現デザイナーは長くサンリオ関係者で、キティちゃんのビジネスに関して多大なアイデアをもって成果を挙げ続け、「まず作品ありき」でデザイナーの名前が世間に広く知れている人物です。そういう流れ方ゆえに、現デザイナーがフリーランスとなる必要がなくなった面もあります。