課税価格決定について（買手が売手に支払う手数料）

Question

課税価格決定について（買手が売手に支払う手数料）通関士の勉強をしているのですが、課税価格決定について疑問がありました。

「買手が売手に支払う仕入書価格の中に、輸入貨物に関わる輸入取引に関し売手が販売代理人に支払う販売に関する手数料が含まれているときであっても、当該手数料の額が明らかになっているときは、当該手数料の額は課税価格に含まれない」

過去問にこのような問題があり
○か×かということで、この答えは×でした。

買付手数料を除く販売手数料や仲介手数料などの費用は”買手”が支払う場合には課税価格に含むと思い込んでいたため、混乱してしまいました。
この問題では”売手”が支払っているのに何故販売手数料を課税価格に算入することになるのでしょうか？

補足

customsprofesserさん、回答ありがとうございます。

課税価格とは、仕入書価格だけではなく買手が支払うすべての代金からそれぞれの要素を増減して出す、関税の計算のもととなる貨物の正当な経済的価値であるということは、おそらく理解していると思います。
しかしこの問題の場合、売り手が払っているので、仕入書価格に算入はしても課税価格には算入はしないと思うのですがどうなのでしょうか？よろしくお願い致しますｍ（＿＿）ｍ

Answer 1

課税価格の決定において買手が売手に支払う価格が基本でこれに所要の調整をして課税価格が決定されます。
この場合、買い手が支払う手数料（買付手数料を除く）は、買手が売手に支払う価格に含まれておらず加算が必要です。一方売り手は、買手から受け取る価格から販売代理人に支払う手数料を支払ってもこれを減額しない、更に加算（二重に数えることになる）もしないが減額もしないわけです。
これに対し、買手が売手に支払う価格に本邦到着後の運賃が含まれている場合、その額が明らかなら減算できます。
評価の問題で、ある要素を課税価格に含むか含まないと、それを買手が売手に支払う価格に加算や減算するかは別の問題（当該要素がすでに買手が売手に支払う価格にふくまれているかどうかにより変わるため）です。
補足について
関税評価でとまどうことは、ある要素が課税価格に含まれるかどうかの問題と、それを基礎となる買い手から売り手の支払いと加算したり減算するかの違いがわかりにくことです。
手数料（買付け手数料を除く。以下同じ）は、課税価格に含むべき要素です。しかしそれがすでに買い手から売り手の支払いの一部を構成していればさらに加算すると二重になります。
従って法令は含まれていない限度で加算するとしています。
例えば買手から売り手への支払い（これが仕入れ書価格となります）が10,000cuとして、買い手と売り手はそれぞれ仲介者に1.000cuずつ仲介手数料を支払うとします。
この場合買手の支払った1.000cuは、買手から売り手への支払いに含まれていないで1,000cuは加算します。では売り手が売り手が支払う分はどうでしょうか？これは買い手が自分が売り手から受けた10,000cuから支払うことになります。従ってこれを加算する必要はありません。しかしその額が明らかですが売り手が支払う手数料を課税価格に含まれないとはしません。もしそうするとなるとこの分を減額することになりますが、これは適当ではありません。
注 cuは、WCOのスタディで使う単位（実際の通貨としないため）
もっと細かく質問されたいときは
愛の通関士試験合格大作戦というサイトにおいでください。
http://www.ai-gokaku.com/rcs/