理学部数学科の者ですが、経済学に興味があります。数学科を卒業した後、経済に関する職業にはどのようなものがありますか？

Question

理学部数学科の者ですが、経済学に興味があります。数学科を卒業した後、経済に関する職業にはどのようなものがありますか？経済数学という本がありましたが、これは経済学部の人に向けたものか数学科の人に向けたものかどちらでしょうか。

Answer 1

客観性に欠けるかもしれませんが，理系大学，大学院を出て働いて20年近くになるものの見解を述べます．数学科を出ていて採用可能性がある一般企業の経済関係の文系業種としては，経済研究所（野村総研，矢野など）や銀行，商社などが考えられるのでしょうが，やはり企業はストレートに経済学科，法学科，経営学科出身者を多く採用すると思います．理由としては特段，数学科出身だからぜひその職種で活躍できる人材をということにはならないからです．
企業としても，経済学科，法学科，経営学科出身学生は つぶしで，曖昧な目標設定で学科を選択し，学校ではほとんど勉強もせず，本音のところ職種，仕事内容にあまり強いこだわりを持ってないということを熟知しています．なので， いくらでも入社後の洗脳教育が可能で，自分の企業色に染めることができると思っています．いわゆる文系学生は専門をもっていないがため，無情とも言える競争環境の中で企業の都合を無理強いできるという，つまりソルジャー要員としては外れがない要素をもっているので，今でも採用の要となっています．

文系就職の場合には，大学の学科なんてものは，企業はあまり問題視していないのが実情でしょうが，上記のような企業の本音の観点から見ると理学部数学科に関して言えば異質の存在です．なので数学科出身者を採用する場合に，その学生がどういう経緯や目標をもってその学科を選択し，貴殿であればいつごろ経済学や経済に興味を持ち始め，どのようにして4年の学生生活の月日を費やしてきたかを厳しく問うてくるでしょう．つまりは疑念の眼差しです．あなたも場合によっては就職活動で気分悪い思いをたくさんさせられるかもしれません．

このような事実問題を念頭に置き， スムーズに文系就職したいならば編入学（学部での） 又は 会計士，税理士などの国家資格取得 を強く薦めます． 説得力が格段に増します． 文系の大学院は辞めたほうが無難でしょう．

経済数学などというものは，自然科学からみる物理や数学からみれば，随分と奇妙に感じるかも知れません．一冊教科書を買って読んでみることがなにより その本質を見ることになると思います．

Answer 2

経済学を専攻する大学院生です。

経済に関する職は
まだ私が学生なのでよく分かりませんが、
シンクタンク等を希望する方が多く感じます。

経済数学に関しては
経済学部の人に向けて書いたものがほとんどだと思います。

一応院レベルの経済数学のテキストでさえ、
・解析
・線形代数
・集合＆位相
・凸解析
・制約付き最適化
・積分
という章立てなので、
数学科の方は集合＆位相くらいまでは
１，２年生のときにやってらっしゃるでしょうから
凸解析や最適化の知らないところだけ
読めば十分だと思います。
（たいていの経済学系の学生は
位相までで力尽きていると思います。）

数学科の方が読むような本ですと、
・岡田章「経済学・経営学のための数学」
・神谷和也＆浦井憲「経済学のための数学入門」
これらが経済学の院生が大学院入学後に
取り組むべき標準的な教科書かと思います。

その他動学的最適化というものが重視されておりまして、それは
・中田真佐男「動学マクロ経済学に必要な数学」
・sundaram "A First Course in Optimization Theory"
・A.C.チャン「動学的最適化の基礎」
・Stokey,Lucas&Prescott"Recursive Methods in Economic Dynamics"
これらは定評あるテキストかと思います。
動学に際しては、Dynamic Programming とOptimal Control の
どちらを多用するかは先生次第かと思います。