おそらく該当します。 ただ、職種で一概に決まっているわけではなく、その職務の態様で判断されるので断言はできません。 「行政書士になれる資格」を得るには、行政書士試験に合格する以外に、おっしゃるように「行政事務に20年以上携わっている」場合が考えられます(注意すべきは、得られる資格は「行政書士になれる資格」であって、行政書士の資格が得られるわけではないことです。行政書士となるには、「行政書士になれる資格」を有する者が、日本行政書士会連合会により行政書士名簿登録を受けなければなりません)。 詳細を言いますと、行政書士法2条6号によると、「国又は地方公共団体の公務員として行政事務を担当した期間及び特定独立行政法人(独立行政法人通則法 (平成十一年法律第百三号)第二条第二項 に規定する特定独立行政法人をいう。以下同じ。)又は特定地方独立行政法人(地方独立行政法人法 (平成十五年法律第百十八号)第二条第二項 に規定する特定地方独立行政法人をいう。以下同じ。)の役員又は職員として行政事務に相当する事務を担当した期間が通算して二十年以上(学校教育法 (昭和二十二年法律第二十六号)による高等学校を卒業した者その他同法第九十条 に規定する者にあつては十七年以上)になる者」に該当する者が、無試験で「行政書士となる資格」を有することになります。 問題は、この「行政事務」とは何かですが、行政実例(昭和26年9月13日地自行発第277号各都道府県総務部長宛行政課長通知)によると、「行政事務とは、単に行政機関の権限に属する事務のみならず、立法ないし司法機関の権限に属する事務に関するものも含まれるものと広く解することができる。したがって、この場合国会議員、裁判所の事務職員等の行う事務は含まれると解すべきである。また、単なる労務、純粋の技術、単なる事務の補助等に関する事務は含まれないものと解する。」とされており、その判断基準としては、「①文書の立案作成、審査等に関連する事務であること(文書の立案作成とは、必ずしも自ら作成することを要せず、広く事務執行上の企画等を含む)。②ある程度、その者の責任において事務を処理していること。」が挙げられています。 もっとも、さらに、どのような職がそれに当てはまるのかが問題となるのであり、その点、上記行政実例は具体例を示しています。 すなわち、「教育公務員については、一般に該当しないものと解せられるが、いわゆる教育行政に関与する地位にある者は、すなわち、学長、校長、教頭、部局長、教育長等は該当するものと解せられる。」とする一方、「教育委員会の事務職員については、1・2により判断されるべきであろう。」と指摘しており、結局として、学校事務に携わるものは原則として、上記①②の基準により、ケースバイケースで判断されることを原則論として述べています。 その上で、「(1) 教育委員会の指導主事(専門的教育職員)で、主として文書の企画、立案等に関する事務を行う者は該当する。(2) 教育委員会の事務職員で、同委員会の出先機関である公立小中学校の事務主任は事務吏員と同様に考えてよい。(3) 各行政委員会の事務局の書記は事務吏員と同様に考えてよい。」としており、「 事務吏員(通常、主事以上の職にある者)で知事及び市町村長の事務部局において、通常の定型的な業務については、おおむね自らの判断で事務の処理を行う職にある者は該当する。」と指摘しています。 以上の指摘からすれば、少なくとも学校事務の職にあり、かつ、主事以上の職にあって、通常の定型的な業務に20年以上従事すれば、「行政書士になれる資格」を自然取得できると解して良いでしょう。
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