行政書士試験 過去問 民法 H17-25 ３番を分かりません

Question

行政書士試験 過去問 民法
H17-25 ３番を分かりません問題
不動産と登記に関する次の記述のうち、判例の趣旨に照らし、妥当なものはどれか？

3 Aの所有する甲土地につきAがBに対して売却し、Bは、その後10年以上にわたり占有を継続して現在に至っているが、Bが占有を開始してから5年が経過した時に、Aが甲土地をCに売却した場合に、Bは、Cに対して登記をしなくては時効による所有権の取得を対抗することはできない。

正解＆解説
3 妥当でない
CがBの時効完成前に出現していた場合には、Bの時効取得においてCは所有者(当事者）であるから、Bは登記なくして時効による所有権の取得をCに主張できる。（最判昭４１．１１．２２）

わからないところ
>CがBの時効完成前に出現していた場合には、Bの時効取得においてCは所有者(当事者）であるから

Bの時効取得によって、Cは所有権を失うから、Bは登記なくして、所有権取得を対抗できるということでしょうか？

また、初心者の質問ですいません。所有権と登記それぞれについて、その関係についてよくわかりません。どのようなことでしょうか？

Answer 1

>わからないところ
>CがBの時効完成前に出現していた場合には、Bの時効取得においてCは所有者(当事者）であるから

①Cは、Bの取得時効が完成する「前」にAから土地を取得しています。
つまりCは、BからみればAの地位をそのまま承継していますから、第三者
というよりAと同じく「当事者」という関係に近い、と考えるのが判例・通説の
立場です。ちょうどBの時効が完成した時、AであれAの地位を承継したCで
あれ、どちらも当事者なので、時効取得したBは「登記不要」というわけです。

時効完成前の第三者Cには、登記無くして時効取得を対抗できるという
結論になります(Cは、むしろ当事者に近い)。

②本問では、もうひとつ重要な前提があります。
BはAの土地を勝手に占有したのではなく、売買契約で取得してから占有を
しています。つまり、自己物を占有しているだけで、自分の土地を時効取得
するというのは変な気がします。
ただ、判例通説は、たとえ自己物でも、登記などの対抗要件を備えなければ
二重譲渡などの第三者には自己の所有権を対抗できず、第三者が先に登記
を備えてしまうと、完全に所有権を失ってしまうから、他人物的な要素がある・・・
という点を重視して、「自己物でも取得時効の対象になる」としています。
(占有期間は純粋な他人の土地の占有と区別せず、10年でokです。)

本問のBは、Aから買った土地についても、取得時効を主張できます。

③最後に、質問者さんが書かれている「Cが所有権を失うから、その結果として
取得時効できるようになる」のではなく、「①Cは当事者とみなされ、②自己物
でも取得時効の対象になるから、その結果、Bに取得時効を主張されて所有権
を失う」ということになります。

*なお、便宜上①、②という順で書きましたが、本当は②の話が前提で、次に①
の話になります。

Answer 2

Aにより甲土地は二重譲渡されていて本来ならばBは登記なくしてCに対抗出来ない。
が、問題文の判例の趣旨に照らし妥当なもの。という出題から、
判例は自己のものの時効取得を認めている。(最判s42)
占有開始時に善意無過失のBは10年間占有を継続した事で時効取得が可能。
また、時効取得者Bは時効完成前の第三者Cには登記なくして時効取得を対抗出来る。
よって、Bは登記なくして時効による所有権の取得を対抗する事が出来る。

Bの時効取得でCが所有権を失うと考えるより
10年以上前にAから土地を買って平和に暮らしていたBに
『君が買った5年後に私が買ってたんだよ』
『登記してないね、じゃぁCのものだから』
と言ってこられても何も知らなかったBを保護しますよ。
みたいな感じ。

占有開始時に善意無過失っていうのと
10年間占有を継続しているので時効取得。がポイントかと思います。

この説明でわかるか不安ですが。。。

あと、所有権はそのまんま所有する権利、財産権。私権。
登記は、自分の財産として記録する。
自分の物だって事を誰にも侵害されない為、税金払う為？所有権を登記するんです。
厳密にはもっと沢山の意味を含んでいます。
参考書読み込んでがんばってくださいねd(^_^o)