藤田先生の行政法入門は法改正に対応しているでしょうか？

Question

藤田先生の行政法入門は法改正に対応しているでしょうか？アマゾンでみたら、最新版が2006年ですが‥

http://www.amazon.co.jp/%E8%A1%8C%E6%94%BF%E6%B3%95%E5%85%A5%E9%96%80-%E8%97%A4%E7%94%B0-%E5%AE%99%E9%9D%96/dp/4641130205/ref=sr_1_1?ie=UTF8&qid=1303999020&sr=8-1

Answer 1

藤田宙靖（ふじた・ときやす）先生は、元最高裁判所判事（2002年9月30日～2010年4月5日）で、その前は東北大学教授（行政法）でした。現在、東北大学名誉教授です。
（参照）
・Wikipediaへのリンク http://bit.ly/kqijRt
・東北大学 藤田宙靖 ホームページ http://www.law.tohoku.ac.jp/~fujita/

たしか、『行政法入門（第5版）』（有斐閣、2006年）
http://www.yuhikaku.co.jp/books/detail/4641130205
は、放送大学教養学部「行政法」でのテキスト（印刷教材）
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002132067-00
を底本としていたはずです。

現在、放送大学大学院の「行政裁量論（'11）」という授業のシラバス
http://www.ouj.ac.jp/hp/kamoku/H23/daigakuin/B/syakai/s_8930589.html
でも、
「受講前に小型の入門書を読了していることが望ましい。藤田宙靖『行政法入門［第5版］』（有斐閣）が好適である。」
とこれを推奨しています。

で、これを分厚くした本が、
藤田宙靖『行政法I（総論）〔改訂版〕』（青林書院・現代法律学講座）
http://www.seirin.co.jp/bin/view/013993.html
です。

過去に、類似の質問が「教えて!Goo」に出ていたようです
（質問）これから行政法を勉強するので行政法入門（藤田宙靖著・有斐閣）という本を...。http://oshiete.goo.ne.jp/qa/5931947.html
が、基本的には、この回答のとおりで、
「最初は、その本から入っても差し支えない。」と私も思います。

しかし、この「行政法入門」は、直近の法改正に対応しているか？と問われれば、この数年程度は対応していない可能性が高いと言わざるをえません。

「行政法」と言われる分野の法令数は膨大で、日々変化していきます。

最近でも、地域主権戦略大綱（平成22年6月22日 閣議決定）を踏まえ、地域自主性自立性向上改革推進法の制定など関係法律の整備（188法律）を行うこととされています。
（参照）
・内閣府 http://www.cao.go.jp/houan/doc/177-3gaiyou.pdf
・九州大学法学部 准教授 田中孝雄先生のホームページ
http://www1.ocn.ne.jp/~houmu-tt/02-01.htm#0201-02

しかし、藤田先生の「行政法入門」のベースとなる基本的な考え方は、新しい教科書でも古い教科書でも変わらず、むしろ、古い教科書で定評のあるものの方が優れているとさえ言えると思います。少々古い本でも定評のある入門書・基本書で勉強し、新しい問題は、新しい書籍・雑誌等でフォローしていくという勉強方法で良いと思います。

藤田宙靖氏は、行政法学者としては高名な方ですし、放送大学客員教授や最高裁判所判事も勤めました。その教科書は、安心して使えるといって良いと思います。

ちなみに、私は、
□入門書：
(1) 藤田宙靖 放送大学教養学部「行政法」（印刷教材）
（現在の藤田先生の「行政法入門」に相当）
(2) 石川敏行「はじめて学ぶ プロゼミ行政法［改訂版］」（実務教育出版）
http://jitsumu.hondana.jp/book/b2147.html
＊行政法を基礎からやさしくビジュアルに学ぶことが出来るので、行政法基礎理論から勉強する初学者に最適です。但し、改訂版が2000年2月とやや古いです。

□公務員試験の基本書：
(3) 藤田宙靖『行政法I（総論）〔改訂版〕』（青林書院・現代法律学講座）
http://www.seirin.co.jp/bin/view/013993.html

を利用しました。（平成5年4月に某県庁に採用された大卒公務員です。）