医者の中でもそれぞれです。勤務医と開業医でも差がありますし、メジャーと言われる内科、外科、小児科、産婦人科などの医者とマイナーと言われる精神科、眼科、皮膚科、耳鼻咽喉科などの医者との差も大きいですね。 医者の中にも、患者を助けるという使命感に燃える人もいますし、ただ単に金もうけの手段として仕事をしているだけの人もいます。また、前記のような使命感に燃え尽きて、仕事ができなくなってしまった医者もいます。 最近は医師不足と言われますが、不足してきているのはメジャーの勤務医で、患者を助けるという使命感に燃える人が減ってきて、開業医とマイナーの医者、そして、ただ単にサラリーマンより給料がよさそうだからと医者になる人が増えてきているのです。すると、メジャーの勤務医がさらに忙しくなり、精神的にやられたり、周囲とトラブルを起こしたりして、開業したり、マイナーに転科したりして、さらにメジャーの勤務医が減少するという悪循環に陥っているのです。ですので、メジャーの勤務医で10年目以下ぐらいの医者は激務で休みもありませんが、それ以外の医者は結構休みはありますよ。ただ、マイナーの勤務医の多くは、勤務医時間内は忙しいです。マイナーの場合は大きな総合病院でも一つの科に一人なんていうことが多いですからね。 私の場合は、有床(入院患者を持つ)の開業医です。ですので、一番辛いのは、休みがないというか、当直をアルバイトの医者に頼まなければ外に出られないということです。月のうち20日は家から一歩も出られないです。これが出来るのは、医師というよりも、従業員にある程度の給料を支払い、路頭に迷わせないようにしようとする経営者としての使命感のほうが強いですね。医師不足で当直医を雇うのも難しいですし、当直医を雇っていれば経営が困難になります。 外科医としての勤務医の時に辛かったのは、もちろん当直業務です。医者の当直は一般的には、前日は当然普通の勤務、当直でどれだけ寝られなくとも次の日も通常勤務をさせられます。一番忙しかった病院に勤めていた時には、毎日手術があったのにもかかわらず、夜間当直の間に軽症から重症までいろいろな患者が30人ぐらい来て、全く寝れない当直が月2-3回ありました。さらに、他の科の先生との人間関係も嫌でしたね。内科の医者のグループが消化器を専門としていなかったため、消化器疾患の多くが外科にまわされてきたり、明らかに他科の疾患で入院してきても、全身状態が悪いと「全身管理は外科が得意だろ!」と患者を押し付けられたりで、同じ給料をもらっているのに、どうしてこんなに働かなければならないの?と考えさせられました。 さらに医療をサービス業と勘違いしている人たちとの対応。一時「医療はサービス業、患者様と呼びましょう」とかいう誤った概念が流行し、それが最高潮だった時は、病院は全くコンビニ状態。患者は、「朝から調子悪かったけど、仕事をしていたらさらに悪化して、夜酒を飲んだらさらに悪くなったので来た」と平気な顔をして午前3時に来院したり、「明日は、重要な仕事があるので、今すぐ専門医を呼べ!」と専門医がいない日に受診したりということは日常茶飯事。病院の経営者や患者からは、「出来ません」と言ってはいけないというどこかの一流旅館やテーマパークのようなサービスをすることを押し付けられたのには、まいりました。 そして医師として一番辛いのは、一生懸命治療しても結果が悪いと患者やその家族に苦情を言われることです。死亡したら治療が悪かったと文句を言われたり、避けがたい合併症が発生すると勝手に他院に転院したり、最悪なのは裁判に訴えられたり(幸い私は経験していませんが)、こちらに非がなくても、患者側がメチャクチャな要求をしてくることは多いです。99%の患者や家族に「ありがとうございました」といわれても、1%の患者にそのような要求をされると、本当に働くのがいやになり、使命感なんてなくなりますよ。
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