例えば不動産の売買契約を売主A、買主Bが締結したとします。 その場合に買主Bが詐欺または強迫をして売買契約をした場合に、売主Aは当該売買契約を取り消すことができますが、 『取消前の第三者』とは売主Aが取り消す前に、買主Bが第三者Cに不動産を転売した場合のCのことを指します。 まず売主Aが買主Bの『詐欺』を原因に取り消す場合、買主Aはたしかに詐欺の被害者ではあるのですが、詐欺に気付かなかったという落ち度があるため、まったく落ち度のない第三者Cと比較するとCを保護する必要があるため、詐欺の場合は善意の第三者に対抗できないことになります。 一方で売主Aが『強迫』を原因として取り消す場合には、被害者たる売主Aにはまったく落ち度がないため、第三者Cと比較しても売主Aを保護する必要があるため、善意の第三者に対抗できるということになります。 要は、比較考量つまりAとCのどちらがかわいそうなのかということです。 取消は民法120条より詐欺・強迫のほかに制限行為能力によっても取り消すことができます。 例えば未成年者が親に無断で未成年者が所有する不動産など高価なものを勝手に売ろうとしたとします。 買主としてみれば相手方たる売主が未成年者なら言葉巧みにその未成年者から廉価な値段で不動産を売るように説得するかもしれません。つまり社会経験の乏しい未成年者をこのような取引から保護するため、親から同意がなければ詐術などの例外を除いて取り消すことができ、また法律上でも保護される立場なので、善意の第三者にも対抗できたり、取消後の原状回復も現存利益(民121条)でよいなどの保護が受けられます。
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