写真は誰かの人生を変える可能性のあるものです。 ですので全ての仕事に遣り甲斐はありますし、撮影中はその仕事こそ全てとの思いで臨んでいます。 思い出という意味では強く印象に残った撮影もあります。 その中の一つはこの写真です。 元ヨットレーサーのカメラマンと言う事でレース撮影の依頼を初めて頂いた時のものです。 有り難い事です。 この日は朝から大荒れの海面でした。 取材用に27フィートのモーターボートをお借りして出航準備をしていたら、メインスポンサーの会長様が現れ「荒天で船が出せないので乗せてくれないか?」と言ってきました。 因みに会長様のクルーザーは40フィートオーバーの豪華なボートです。 それが出せない海面で、こんな小型艇にお乗せして大丈夫か?と一瞬逡巡したものの断る理由も無いので快諾。 時間も無いので舫をとり八景島を慌てて出航。 レース海面に到着し、舵を助手に渡すとカメラの準備をしてスターンデッキへ移動する為に操舵室のドアを開けたら、目の前には全身ずぶ濡れの会長様が立っておられました。 ヤバいと思うも直ぐにレースのカウントダウンスタート。 そのまま撮影に入りました。 荒れ狂う海面で400mm望遠を使うと、フレームにヨットが収まる時間は1秒ありません。 ヘッドバンキングしながら望遠で撮影するのに等しい作業です。 それを予測し居合切りの様に切り取っていくうちに夢中になり、さっきのヤバいと言う気持ちは忘れていました。 撮影も終わり、私も全身海水でびちょびちょになりながら帰りの舵を握っている間は冷静に戻り「これでレースの仕事は干されるな」と考えておりました。 一応、こういう時は貴賓はキャビンにご案内するのだと助手には伝えました。 しかし干される事もなく、次回のニッチャレのアメリカズカップでは私専用にヘリをチャーターしてくれる話にまで広がり、俺の時代が来たか? と思っていたらバブルは弾け、南波キャプテンは落水で行方不明。(日本のヨット界を背負って立つべき素晴らしい人でした) スポンサーはみんな消えて、ニッチャレそのものも消えてしまいました。 人生を変えそうで変えなかった撮影の中の一枚です。 やはり若かった。 今見返すと、まだまだ撮影術が未熟ですね。
なるほど:2
バブルの頃に、アッパーミドル層向けの旅行雑誌の仕事で、ヴェネチアの ホテルダニエリで撮影した時かな. >どこにやり甲斐を感じたか 報酬ですねぇ. 3本出たからなぁw それと打ち上げで、ディカプリオが主演した「華麗なるギャツビー」のよ うな服を着て豪奢なケータリングを食べて. 酒もホック/シェリー/モーゼル/ボルドー/ポート辺りを木箱飲みしてw あ、機材は色々と. ハッセル使って F-1使って M4-2使って
なるほど:2
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