当方施工管理業務を中心とした小さな造園会社で働いていますが、造園設計業務に携われる職場に転職したいと思っております。同じ…

Question

当方施工管理業務を中心とした小さな造園会社で働いていますが、造園設計業務に携われる職場に転職したいと思っております。同じ業界ですが、実務分野を異にするので、望み通り転職できるのかどうか疑問があります。実際に施工管理から設計へ転職した方、転職した方を知っている方など、回答いただけたらと思います。
一級造園施工管理技士、一級土木施工管理技士、一級エクステリアプランナー、樹木医などの資格を保有しています。独学でautoCADも扱えますが、実務での使用経験はありません。

Answer 1

君の知ってそうな人は、知り合いに何人もいるよ。

普通、造園現場監督から造園設計業務にかわる場合は、まず業務委託監理をやる必要があるんだ。
経験豊富な君は、たぶん『委託監理』という制度か言葉があるのを知っているだろう？
仕事で忙しい役所の担当者に変わって、公園工事の発注から完了届の作成まで、全てを行う業務のことだ。もちろん公園工事の設計そのものは、設計事務所自身が請け負っているんだが、設計委託とは別に委託監理も含まれているケースも多いんだ。
なにせ設計担当者の代理人をやるんだから、普段の現場代理人にはお目にかからないような書類の束や、資料を漁ることになる。

当該地域の都市計画の資料だとか、年間の降水量のデータとかとか、公園利用者の数と分布図とかだな。なにせ内部資料だと見せてもらえないケースがほとんどだが、官・民違えど勝手知ったる技術者同士、仲間付き合いを上手く取れば、見せてくれるケースもあるってこと。

せっかくだから、設計の基本業務を学べる良いチャンス、機会を見てチャレンジすることをお勧めする。
もちろん役所の管理委託業務に精通している必要があるが・・・その前に役所発注の工事で現場代理人か主任技術者を経験していないと勤まらないぞ。（１級造園施工管理＆土木施工管理の技士の資格を持ってるんだから、それくらいは知ってて当然だろうが）
え！・・・なに？。一度も役所工事をやったことがないって・・・。
まずは、はじめから１級の資格を取り直すことだね。
さもなくば、さっさと役所工事を行ってる業者に転職しよう。

まずは監理委託をやっている設計事務所に潜り込む必要がある。
ま、君の場合は、資格持ちだから、求人募集さえ出ていれば、労せずに造園設計事務所に入れるだろう。
なにか専門の分野があれば、なおいいな。（道路工事、舗装工事、石積工事、植栽工事など）
年齢は４０歳未満が希望、勤務地は委託業務のある、どこかのどかな田舎がいいな。
よもや４０歳すぎの男に、いきなり設計事務所の十八番『消しゴムかけ』を頼むわけにはいくまい？

現場代理人→委託監督→設計担当者

そうやって、みんな経験を積むんだ。
まずは発注業務を学んで、次は予算業務。それが済んだ頃にようやく設計業務に取り掛かれる。

ま、委託監督には委託監督なりの厳しさがある。
まず人間付き合いが大事だ。それと常にハイリスクが求められている仕事で、１級持ちならそれくらいの重圧は当然だろう。事務所経費は常に設計原価の二倍と決められているから、いつも少ない予算内でやり繰りせねばならない。なにか問題が起きても、全て担当者のせい。自己弁済、自腹負担は当たり前のキビシイ世界、と聞いている。金額の大きい現場予算とは、大違いの目に合うことは必定で、こんなことなら、一生のんびり気楽な現場で暮らした方が楽だ・・・と思うだろう。

ま、実際は設計をやりたい、と思いながらも（人の設計をやる）委託監理業務にならざるを得ない現実があるのさ。
ただし、事務所にとっては、設計業務よりも委託監理業務の方が実入りが大きい、とも聞いているんだがね。
だから、現場上がりの人間は、ほとんどが雇われ委託監督となるんだ。
その合間に自分の造園設計をしているくらい。ホントに仕事がないんだ。たまに庭の小改装をする客がいれば良いくらいで、間違っても大規模公園工事なんかきやしない。あっても営業力の差だな。役人のコネで決まってゆき、古くからある大手の設計事務所に持って行かれる始末さ。
ま、中には自分で独立して事務所を切り盛りしている猛者もいるにはいるけどね。
でも儲けだけを狙うなら、施工会社の方が造園事務所よりずっと効率がいいからね。
どうせなら自分で会社を起こすしかないんじゃない？とか思うんだ。

おまけ

それより、いま働いている会社には、設計をやる部門はないのかなぁ。
普通、どんなマチバの会社でも、会社と名乗ってるからには、付き合い筋の会社または個人から、設計くらい頼まれてしかるべきなんだけどねぇ。
そんなチャンスがあれば、迷うことなく図面の一枚や二枚、仕上げてハナをあかした方が良い。特に上役に、君の持ってる才能を見せつけられるチャンスなんだから、それを生かした方がずっと良いと思う。ちなみに俺の設計としての初仕事は、吉原のソープランドの目隠し用の鉢植えだった。おもいっきりモンステラの飾り鉢ふうに仕立てたやつを使ってみせて、客たちからの好評を得ることが出来た。
客からの評価は高かったんだけど、なにせ大使館や、大手生命保険を手掛けてる会社が、ソープランドの客引きの手伝いをしてるようじゃ・・・と会社の評価はさんざんだった。でも、口先だけじゃなく、ちゃんとパースの画ける奴だとわかって、以来、設計物件がたまにまわって来るようになったんだ。
つまり、チャンスは必ず掴めということと、それに仕事にえり好みをしてはいけないということだ。
せっかく資格を一杯持ってるんだから、利用しない手はないと思うんだけど。