調剤薬局で働く薬剤師さんって何をやっているんでしょうか？処方箋を渡して、呼ばれるまでの間ぼーっとカウンターの後ろを覗きな…

Question

調剤薬局で働く薬剤師さんって何をやっているんでしょうか？処方箋を渡して、呼ばれるまでの間ぼーっとカウンターの後ろを覗きながらいつも思うのですが、「何か薬をつくっているのか？」と思いつつも、でてくる薬って、製薬会社の名前が入った錠剤なので、「これをあそこで作ってる訳じゃないよなやるとしても、日数に合わせてハサミで切るくらいだよな」と。
しかし、時にはなんか混ぜたり、包丁で切るような音が聞こえたりするので、「子供向けの粉薬はここで作るのかな」と思ってます。
だがしかし、薬局に来る人の大半は大人のはずで、子供やお年寄りが来ない時は何をしているのだろう、と疑問に思ってます。

決して薬剤師の仕事をバカにしている訳ではありません。素朴なぎもんです。

Answer 1

処方せんに基づいて薬を用意するのが、調剤なんですけど、薬を用意すること自体は、ある意味機械的です。

そこらの小さな薬局で数百種類程度の薬があります。街の大きめの薬局ならば、千～千数百種類くらい置いてあるところもあります。棚から出すだけと言えば出すだけですが、同じ成分の量違いなど、似たモノが大量にある中から、正確に揃える、しかも間違えたらアウトな仕事なので、それなりに神経は使います。

この機械的な作業と並行して、処方に誤りがないかの確認も行います。例えば飲み合わせがどうとか、小児だったら量が正しいのかなど。薬剤師の仕事の本分は、むしろこちらです。あまり知らないと思いますが、医師は、結構、素で間違えてくるんです・・。「あ、量が違うね」とかそういうのが、割とあります。処方上の問題があれば医師に問い合わせて、処方を修正するなりしてもらいます。

処方内容のチェックという最も重要な仕事の、かなりの部分は、薬剤師の頭の中で処理されるので、傍から見たら、何もしていないように見えると思います。併用がどうのこうのなんてのは、あらかた頭に入っているので、頭の中で「この組み合わせは副作用のリスクが高いかもなぁ」なんてことを考えているわけです。そのまま行ったら危険ならば、問い合わせして処方変更を依頼するし、そこまでハイリスクでなければ、お渡しする際「こういう副作用が出やすいので、こういうことに注意してね」なんていう説明に繋がります。そこをどうするべきかという判断を頭の中でしながら、上の機械的な作業をやっています。
何か考えていても、何も考えていなくても、傍から見たら一緒だから、何も考えずに単純作業しているだけと勘違いされがちなのが、辛いところです。

薬作るというか、加工する作業は結構あります。錠剤を半分にする、粉やシロップ、軟膏やクリームを量り取って混ぜたり、錠剤をプチプチ出して、袋にパッケージすることで飲みやすくすることもあります。この手の加工をする場合、配合変化しないかなど薬の性質上の問題は、医師は分かりませんので、そこに問題があれば、この薬では、こういう加工は出来ませんが、こうならどうでしょうみたいなやりとりを処方医します。

あと、患者さんにお渡しする際なんだかんだとお話しますが、その中で処方上の問題が発覚することがあります。患者さんの症状と処方内容が一致していない（＝医師が処方を間違えた）ということも時々あります。また、管理が難しいみたいだから、こういう支援をすれば飲みやすくなるだろうとかで、アドバイスしますが、そもそもの処方内容を変更することで解決できそうな場合は、処方医に連絡してアレコレ調整してもらったりもします。処方を決めるのは医師ですが、薬剤師はその内容にアレコレ口を出せる立場でもあるので。あと、副作用の有無とか、医師が忙しい診療時間の中で見逃したことがないかチェックして、必要があれば情報をフィードバックします。

あと、医師から薬の使い方や、上に書いたような加工の可否について問い合わせが来て答えたり。

内科で、ずっと同じ内容で、問題なく安定して場合は、上に書いたようなことが発生する頻度が低いので、ただ用意して渡すだけみたいになりがちですが、全体としては、こういうことをしていますので、ご理解いただければ幸いです。