●同時通訳ってなんですか 誰かが話しているのを,文字通り同時進行的に,他の言語に通訳していくことです。スピーチとか講演などでよく使われますが,インタビューや一般的な商談でも同時通訳をする場合は多いです。 ●どんな人がなれる その仕事をする能力があれば,誰でもできますが,一般的には専門の訓練を受けないと,なかなかできません。 ちょっと誤解があるようですが,, 基本的に「同時通訳」という世界があり,その世界で仕事をするのが同時通訳者,というわけではないんです。 基本にあるのは「コミュニケーション」です。 コミュニケーションはいろんなケースで行われますが,その場合,使用言語が違う人同士のコミュニケーションを助けるのが,「通訳」です。 通訳をする場合,時間的な制約のある場合には,同時進行的に訳していくほうが良いので,そのお客さんが「同時通訳してほしい」を言えば,同時通訳者が派遣されます。 同時通訳者と言っても,「通訳者」の中で,依頼された仕事を「同時通訳でできる」人が,その時の「同時通訳者」となるにすぎません。同時通訳者が常に同時通訳しかしないと言うわけではなく,逐次通訳も頼まれればやります。 ●なるためにどんな資格が必要 特に「同時通訳者」としての資格,というのはないと思います。通訳者の資格というのも,国家資格のようなものはありません。語学関連の国家資格は「通訳案内業」つまり日本国内のガイドの資格だけですので,それ以外の資格は特にありません。 通訳会社が試験をして,通訳としてやっていく能力のある人を雇ってそういった仕事に就かせているだけです。 通訳を派遣する会社が学校を作り,通訳者を養成したりする場合,独自の「資格」を設定して,その資格を取得した人だけに仕事をまわす,ということはあります。 要は,資格うんぬんではなく,純粋に能力本位の仕事です。 ●同時通訳にどんな魅力がある 魅力というのは個人が感じることなので何とも言えないのですが,,,, たとえば,国際会議などでは時間的な制約も多く,いろんな人が場に応じて発言するため,発言者それぞれに通訳がついて,言ったことを外国語に訳していく逐次通訳だとうまくいかないので,すべての発言者の発言を順次,同時に訳していく同時通訳が採用される場合が多いです。 国連だとか,その他国際会議での通訳は,テーマが国際的に重要なものが当然多いので,やりがいがあると感じる人は多いかもしれません。 でもそれは,「同時通訳」としての魅力ではなく,「重要な話し合いの手助けをする能力のある自分」としての魅力であって,逐次通訳でも同じ達成感は得られるので,,むずかしいですね。 報酬が魅力だと言う人もいると思いますが,たとえば何かの会議で同時通訳をする場合,オファーが来てから一週間とか,長くても二週間くらいしか時間がないことも多いので,その分野の特殊な用語とか言い回しなどを短時間でガーッと詰め込まなければなりません。「同時通訳」してほしい,という依頼のテーマは千差万別ですから,最先端のセラミック製造技術についてだったり,地球環境の汚染であったり,ISによるテロ行為への対策であったり,いろいろですし,通訳者がピンポイントでその話題の専門家であるようなケースはおそらくありませんから,毎回仕事のたびに用語を覚えたり,最近のその分野でのテーマについて資料や専門書やインターネットなどで調べたり,それを実際の場で使えるように頭に入れたりして仕事にのぞむため,プレッシャーやストレスが大きくて,達成感を感じると同時にストレス解消の必要が生じ,ものすごく贅沢な食事をしたり,自分へのご褒美として服や趣味のものを購入したりする通訳者も多く,「通訳をして家を建てた人はいない」と,冗談半分で言われているくらいです。 ●他の通訳とどんなところが違う 他の通訳,と言うと,「同時でない」ということになりますが,これは一般に「逐次通訳」と呼ばれており,誰かの発言を,発言が終わった時点で,別の言語にして繰り返すことです。 この場合,発言者が喋っている間にメモも取れますし,訳したものを話すにも多少の時間的余裕があるため,完成度の高い日本語あるいは相手の言語で返すことができます。 同時通訳の場合には,通訳者が訳している時間にもずっと話し手は喋っているわけですから,耳で聞きながら,一瞬前の内容を別言語にしていくわけで,たいへんな集中力が必要です。また,聞き取りにくい発音であっても,聞き返すことも許されません。 ただ,聞いている人にもそれはわかっているため,はっきり言って多少不正確な訳であっても,情報としてなんとか伝わればよしとされるということはあります。 逐次通訳だとメモも取れますし,発言意図を簡単に確認したりすることが許されるため,簡単だと思われてしまう場合が多いのですが,ある程度の確認ができるだけに,ほんの少しでも間違えるとものすごい批判を受けます。聞いている人も,発言者の発言をじっくり聞いた上で,訳されたものが聞けるわけですから,間違いに気づかれてしまう場合も多いため,ある意味こちらの方が難しい,と言われることもあります。 ご質問の意図に沿ったお答えができたかどうかわかりませんが,まあご参考まで
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