デジタル制御の溶接機ですね、メーカーに言わせたら「読んで字のごとしで硬い&軟らかいですけど何かご不信なことでもありますか?」と言うのでしょう。 アーク特性というものについてアレコレ回答を書きますが、もしも途中で面倒になったら「自動車のスプリングの硬い・軟らかい」のようなものとお考えください。 溶接のやりやすさを車の乗り心地と同じようなものと考え、スプリングの硬さがダイアル調整できると思えばご理解いただきやすいかと思います。 それでは「どのような特性?」をわかりやすく書くと次のようになります。 溶接の電流は常に一定ではなく、ワイヤが母材に近づいたり燃え上がったりして1秒間に70~80回の周期で変化しています。 これは溶けたワイヤが定期的に母材に移っていくので周期的に繰り返しますが、短い時間で変化していますので電流計ではピタッと止まっているように見えます。 で「その電流の変化がどうしたの?」ですが、この電流の変化が速すぎるとババババッとなるようなアークになってスパッタが吹き飛ぶ溶接になります。 そのため溶接機の中に「電流の変化を鈍くする機構(呼び名は直流リアクトルと言います)」があり溶接に適した鈍さに調整しています。 自動車で言うと車体のスプリングが硬いとか軟らかいにあたります、スプリングという緩衝機構は絶対に必要ですが、硬すぎてもダメ軟らかすぎてもダメで手ごろな硬さというものがあります。 溶接機で言うと電流の変化を鈍くする機構が自動車のスプリングにあたり、低電流の溶接ならジイー・中電流ならジャーとなるちょうど良いアークの状態に調整します。 このアークの状態の調整をする直流リアクトルという機構は半自動溶接機には必ず入っているものですが、普通の350A溶接機でしたらおおむね250Aぐらいの時にちょうど良くなるようにしてあり、300Aを超えると「ちょっと敏感かな?」150Aより低い電流の場合は「ちょっと鈍いかな?」という感じです。 デジタル溶接機はこのリアクトルを半導体で模擬的なものにしてあり、溶接電流に応じて最適な状態に自動調整されますが、せっかくの電子回路ですから「さらに微調整できる」ようにしたのが「アーク特性調整ダイアル」です。 自動調整されますから普通は「真ん中がちょうど良い」のですが、300Aを超えるような高電流でしたらプラス(軟らかめ)、100Aを下回るような低電流でしたらマイナス(硬め)にするとスパッタが減る可能性があります。 でもこの手の調整機構は「いろいろ触ったけど元のままが一番良い」になることが多いですよ。
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