解決済み
内閣の権能のことで教えてください。 国会及び国民への財政状況の報告(91条)が内閣総理大臣の権能ではなく内閣の権能とされているのはなぜですか?特に一般国務及び外交関係について、内閣を代表して国会へ報告(72条)と比較して疑問に感じました。 内閣の権能、総理大臣の権能はどのように区別されているのでしょうか?
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まず、財政や外交などの行政権は内閣に属するわけですから(65条)、国会や国民による民主的統制の対象も内閣総理大臣ではなく内閣です。なので、外交関係の報告にしても、財政状況の報告にしても「本来的には内閣の仕事」のはずです。 もっとも、内閣は合議体の組織ですから、具体的に内閣を代表して報告を行う「誰か人」が必要です。憲法はそのうち、議案提出や外交関係の報告については、内閣を構成する各大臣の首長である内閣総理大臣の権能として定めました(内閣代表権、72条)。 では、それ以外は内閣総理大臣は内閣を代表しないのかといえば、必ずしもそうではなく、憲法は、内閣の権能のうち重要なものを例示的に内閣総理大臣の代表権として規定しただけと解されています。なので、質問者さんがご指摘の「財政状況の報告義務」についても、たまたま憲法は規定していないものの、本来は、内閣総理大臣が内閣を代表して行うべきと解している学者もいます。(実際は、財務大臣が国会で財政演説を行っています、財政法46条参照)。 なお、内閣総理大臣の権能として、憲法が規定しているものは、大別して①外に向けての内閣の代表権、②国務大臣の任免などの内に向けての人事権等に分かれます。このうち、先に触れた①については、本来は「内閣の権能」であり、それを内閣の代表者として総理大臣が行うことになります。 【まとめ】 外交・財政等の行政権は本来「内閣」の権能であり、内閣総理大臣の権能のうち①は実質的に「内閣」の権能と同じ。②は首長としての統制権のようなもの。 外交関係の報告も、財政状況の報告も、本来内閣の権能であり、憲法は前者のみ内閣総理大臣の代表権としたものの、それは単なる例示にすぎず、後者についても総理大臣が代表してすべきとする説も有力。
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