1.過去問の出題に一工夫を加えた。 過去問とほぼ同じように出題するのではなく、結果は同じでも問い方を変えてきた。 そのため、過去問の内容を理解した者にとっては「過去問の類題」であったが、過去問と回答を直結して丸暗記するような勉強をした者にとっては「新規の問題」であった。 2.問題文にヒントとトラップを組み合んだ。 問題文の最初から最後までを検討するのではなく、文頭にあるそれらしいキーワードに飛びつくと、自ずと誤答する設問があった。 例えば、生ガキを室内で炭火焼して体調不良となった設問で、ノロウイルスと誤答した者が大量発生した。(正解は一酸化炭素中毒) しかし、問題文にはヒントが多く、周辺知識を理解できていると、自ずと正答が導き出せるようになっている。 3.計算問題が増加した。 目的濃度の食塩水をつくるといった、高校化学レベルであるが計算問題が増加した。 このあたりの化学における計算問題は、低学力層において苦手とする者が多い。 4.2問を融合した問題が増加した。 ある問題を正答しないと、次の問題が正答できないといった出題が多く、得点差が開く構成となった。 今回の第99回薬剤師国家試験では、問われる知識のレベルはほとんど変わっていない。 「足切り」するような出題内容であり、一定水準の理解を得ている者にとっては、難化したとは言えない内容である。 したがって、高校化学レベルを習得していない者、基礎学力が低い者、理解が中途半端な者、「試験対策」「丸暗記」によって合格を図る者は徹底的に落ちることとなった。 国公立大学薬学部の学生への影響は軽微であったが、私立大学薬学部は入学難易度が低いところほど惨状を呈している。 難化したと騒いでいるのは主として低学力層であることからも、今回の出題が「足切り」の効果を発揮したことは明確である。 また、第99回薬剤師国家試験は、6年制に移行してから3回目の国家試験である。 私立大学薬学部では留年しない者は7割しかおらず、回を経るごとに留年経験者が新規卒業者に含まれるようになってきた。 6年制初回である第97回薬剤師国家試験は、新卒受験者は留年を経験しなかった者だけで構成されており、その学力レベルは比較的優秀であったと推測される。 回をおって留年経験者が新卒受験者に加わることとなり、学力レベルが低下していると推測される。 新卒受験者の学力レベル低下が、合格率低下に影響した可能性もある。 要するに、きちんと理解した者だけを合格とする、まともな試験になっただけ。
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