解決済み
製薬会社の臨床開発職、またはCROに勤務されている方に質問があります閲覧ありがとうございます。 現在薬学部5年で現在就職活動をしています。 それに関していろいろと調べていると、昨年Alnylam社が、RSVウイルスに対する天然型siRNA、ALN-RSV01のフェーズ2B臨床試験に失敗した という記事が出てきました。これは世界初のsiRNA核酸医薬品ということで、自分の研究テーマに近いものであり非常に興味があります。 その中で以下の記事がありました。 https://bio.nikkeibp.co.jp/article/news/20120618/161649/?ST=academic リンクをクリックしなくてもいいよう、簡単に説明させて頂くと、 統計的にp値が0.052とわずかに不足している。 登録した87人の患者の内、中央ラボでPCR試験したところ、10人がRSVに感染したおらず、しかもその内9人までがプラセボを投与されていたこと もしこれをなかったことにし、RSV感染者77人に限定するとP値は0.028と統計的に有為であった。 筆者はこれを Alnylam社の臨床試験に対する未熟さ と表現しています。 ここの未熟さとはどのようなことなのでしょうか? もし、超大手企業であれば回避できたということなのでしょうが、どうすれば回避できたのでしょうか? 私がひねり出した問題・解決策は Drとの意思疎通が図れなかったため、RSVに感染していない患者様が試験に参加してしまった。 予め、PCRで確認してから参加させるべきであった。 、、、という安直なものです、、、 現職の方に意見を伺いたいです。よろしくお願いします。
「PCRで確認する行為」というものは、それほどハードルが高いものなのでしょうか? 業務内容や背景を知らない私ですが、新薬を開発にするにあたり、やってあたり前の行為にしか思えません。 確認しなかったらから試験に失敗した、で済ますのであれば、研究者への冒涜であるとも感じます。 考えられる問題点と、解決策、また私なら(私の開発部だったら)こうするだろう、というものを知りたいです。推測でもいいです。お願いします。
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回答: ①製薬企業で、研究、企画、ライセンスなどを担当したOBです。Alnylam社(ボストン)には、ライセンス案件で訪問したことがあり、懐かしく思い出しました。 ②フェーズ2Bに失敗したのは、患者エントリーに問題があったのではとのご指摘ですが、私なりの考え(推測)をお話します。 1)最初からPCRでRSVの感染を確認した患者のみをエントリーすべきと言うのは一案です。ただし、フェーズ2Bでは、薬剤が有効かどうかを判断し、大規模臨床であるフェーズ3に進むべきかどうかを判断するための試験です。事後解析で、RSV感染者だけを集めて投与すれば、統計的有意差が出ることが解ったのですから、今回のPII-Bは失敗ではなく、実は、成功なのです。もちろん、今回の成績をもって、PIIIに進むかどうかは、Alnylam社が判断することです。 2)今回、PII-Bで、PCRを取り入れなかったのは、臨床のスピードとコストを考えたからでしょう。日本人の臨床試験は、多分、PCRを入れて・・・となりますが、欧米人の発想は、いかに、早く、そして、安く、臨床試験をやるかです。 3)そして、もう一つ重要なのは、臨床試験を、PCRでRSV感染を確認した患者のみで実施してしまうと、実際の臨床(市販後)でも、投薬の前提にPCRを要求されてしまう問題があり、できれば、入れたくないとの考えもあります。 4)Alnylam社を含め、欧米のベンチャーは極めて戦略的な考え方をします。今回、ご質問者は、とても良い点に気付かれたと思いますが、彼らは、ディスカッションを重ねて方針を決定しますので、とても奥深く物事を考えており、私自身は、彼らとの交流で多くを学びました。 5)お忙しいでしょうが、Alnylam社にメールで質問したら、納得の行く回答がもらえるかもしれませんね。製薬企業を目指すなら、面接時の「ネタ」になるように思います。
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