ですが、自衛官は司法警察職員ではなく『警察官』の権限を持ち合わせていないので、犯罪者を取り締まることはできません。例え、目の前に明らかに怪しい人間がいても、自衛官だけではその人物を制止させて、犯罪を犯しているかどうかを検めることはできません。現行犯でなければ何もできないのです。 もちろん自衛隊は、戦闘訓練を受けた人間を相手にすることが前提で日々訓練を受けているので、純粋な戦闘・戦略や体力面では自衛官のほうが上回るでしょう。しかし平時の際、自衛官は日本国内では私達一般人と同じで、無力な存在です。公道においても、自衛隊の車両(車列)が警察官の制止を受けたら、一般車両同様に指示に従わなければいけません。制止を無視したら、それはもう『違反者』です。 レンジャー部隊も、例えば市街地訓練の際に、街中で非武装の反対市民に襲われても(襲われそうになっても)、武器は使えず、例え正当防衛であっても(負傷させてしまう可能性があるため)普段から鍛え上げている『拳』を使うことができないので、力ずくで相手を押さえつけるか、警察官に護衛を頼むしかありません。 大規模な災害等の有事の際は、人命救助や遺体捜索の面では両者ともに同等な存在で、どちらが優か劣かなどかは問題になりません。そんなことを考えていたら、とても人助けなどできません。ただし、発見したご遺体に関しては、例え自衛官であろうと勝手にご遺族に引き渡したり検死をしたり、埋葬することはできません。これは、消防吏員や救急隊員も同じです。警察官が必ず立ち会わなければいけないのです。 この様に、どちらが強い・弱いなんてことは議論にすること自体、無意味です。 それが『法治国家』と言うもので、『軍事国家』とは違うのです。 誇りある自衛官や警察官たちは大人ですから、おそらく互いにどちらが強いかなんて意識していないでしょう。互いの能力や職務の違いをきちんと認識できているからこそ、日本において問題なく共存できているし、いざと言うときは協力し合って事態に対処することができるのです。 自衛隊にできないことは、警察に。 警察にできないことは、自衛隊に。 どちらも持っている装備や能力の中で最善を尽くしているのです。『どちらが』強いのではなく、『どちらも』適材適所で強いのです。
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