獣医師という仕事について教えてください。獣医師という仕事は何の為の仕事なのでしょうか？

Question

獣医師という仕事について教えてください。獣医師という仕事は何の為の仕事なのでしょうか？私は動物が好きで小さい頃から獣医師になることが夢の18歳です。
今年の大学受験で獣医課程を受けたものの不合格におわり、一年浪人することになりました。
そこでこれを機会に自分のやりたいことをもう一度見つめなおすことにしました。
獣医師について調べていくうちに、ある疑問が生まれました。
動物が好きだから獣医になるのか？
「人のための獣医」という言葉を聞いたことがあります。
獣医は人と動物が共に暮らすことを手助けする仕事だと。
でも、犬猫の殺処分、家畜の廃用処理なども獣医師の仕事なんですよね？
私にはこれが本当に人と動物のしあわせを願う仕事のようには思えません。
もちろん、食肉用の家畜は私たちが生きていく中でかけがえのない動物で、
お肉は残さず感謝していただくべきだとは思っています。
その家畜が少しでも幸せだったと感じるような生活の手助けをするのが獣医師の仕事だと思います。
動物にも感情があると思ってるし、絶対にモノではないと思います。
しかし、今の日本ではどうしても動物をモノとして扱っている節があるように思います。
「人のための獣医」が、動物をモノとしてある程度認めてしまうような職業なら、
私の目指す道ではないと考えています。
でも、現状を打開できる選択肢として、やりがいを感じられる職業なら、
たとえ精神的に肉体的に厳しい道だとしても、新しい目的も持ち獣医師を目指し続けたいです。

私の知識や経験が少ない為に、この考えも正しいのか全く分からないので、
獣医師の方がいらっしゃいましたら、獣医師という仕事や、獣医師の使命、やりがい、矛盾を抱く点、厳しい現実…なんでも良いので、教えていただけないでしょうか？
色々な考えが聞きたいです。よろしくお願いします。

Answer 1

まずは獣医師の活躍する分野について説明しますね。

①牛・豚・鶏・馬などの産業動物や、犬・猫などの小動物の健康を管理する動物診療獣医師、次に、②公務員として家畜伝染病の防疫や動物検疫といった家畜衛生、狂犬病をはじめとする人と動物の共通感染症の予防や食肉等の食品の衛生を監視する公衆衛生、あるいは動物愛護等の分野で国民の安心・安全な社会生活の維持に貢献する獣医師、その他にも、③大学や研究所などで獣医学に関する研究や獣医学生の教育に携わる獣医師、④幼稚園・小学校等における学校飼育動物活動を支援する獣医師、⑤動物と一緒に福祉施設の訪問活動等を行う等の動物介在活動を行う獣医師、⑥野生動物対策や動物園動物等の管理を行う、野生動物を専門とする獣医師、⑦医師と協力して実験動物を管理する等、バイオメディカル分野で人の医学の発展に貢献する獣医師、⑧海外技術協力として発展途上国での家畜衛生、公衆衛生の向上指導に情熱を傾ける獣医師

このように活躍する分野は多岐に分かれています。

獣医師の使命ですが
獣医師の誓いー９５年宣言が参考になるかと思います。この宣言は、大学で必ず学びます。
http://nichiju.lin.gr.jp/about/chikai.html

動物はモノではない。これは正しいと思います。
でも、動物は人ではありませんので人権はありません。
「動物は命あるモノ」これが動物の位置を的確に表していいると思います。

Answer 2

獣医師です。獣医師になりたいなら動物を助けたいからなるべきです。動物が物か人かを考えて、物なのでやる気なくしたと考えるならやらない方が良いです。獣医師になることに疑問を感じるようなら、進路変更した方が良いです。

Answer 3

獣医師や獣医学生も、考え方は人それぞれです。
犬猫でも牛豚でも、動物の幸せのために働きたいんだ、という人は
そういう進路に進めばいいのです。動物病院とかNOSAIとか。
わざわざ保健所や食肉処理場で働く必要はありません。

ただ、そういう道で働いていても、どうしても動物の幸せを最優先できない
場面に直面することは必ずあると言っておきます。
手術すれば治る病気の犬でも、飼い主さんの価値観次第ですからね。
「20万かけて治すか」と言われたときに諦める飼い主さんは多いと思います。
また、産業動物は農家さんの利益になるかどうかで判断されます。
病気にかかっても、治療後の生産性と治療費を天秤にかけ、損だと判断すれば
治療せずに廃用にするでしょう。

最後に、一獣医学生の意見ですが、
すべての獣医学は人間のためだと思っています。
動物病院で治してくれと依頼するのは飼い主さんですし、
牧場で治してくれと依頼するのも農家さんです。
また、多くの実験動物を犠牲にした研究活動で利益を得るのは人間です。

獣医学生は遅かれ早かれこのことを理解すると思いますが、
だからといって「私は動物の幸せのために獣医を目指したのに話が違う！」
と逃げ出す学生はおらず、みんなこのような負の面を知ったうえで
「動物が好きだから」と獣医療にあたっているんだと思います。