この問題は、アニメ産業の内と外、全てで取り組まなければ解決できません。 ●国・社会の問題 ・労働局、労働基準監督署の査察が適切に行われていない。 ・アニメーター育成プロジェクトなど国の委託事業はあるが、会社を保護できる制度はない。 ・国、文化庁がアニメ産業に関する委員会や上記の育成プロジェクトを立ち上げても、そこに参加するアニメ会社自体、労働条件に違法のある会社が多いので、何も改善されない。 ・JAniCA(日本アニメーター・演出協会)などが実態調査をしているものの、対策・提言が遅すぎる。 ●アニメ会社側の問題 ・アニメ会社の社長は現場出身者が多いため、会社経営に必要な法的知識がない。 ・低賃金、長時間労働は、昔からの慣習、暗黙の了解となるため、会社側も「仕方ない」「当然」と考え、改善できるところがあ っても改善しない。 ・会社がテレビ局・広告代理店の言いなりになっている。 ・作品の権利ビジネスに疎い。 ・不要な動画や原画、背景画などが倉庫や会社の片隅に山積みになっているが、これらを経営資源として活用していない。 ・少ない製作費の中、限られた期間でアニメを制作するため、労働環境の改善に忙しすぎて手が回らない。 ・正社員や契約社員はまだいいものの、業務委託形式で雇う会社が多いため、委託形式では労働基準法の適用範囲が限定 される。 ●産業構造の問題 ・制作費は、それなりに出るものの、電○のような広告代理店に中間搾取され、制作現場にはほとんど下りてこない。 ・違法アップロード対策ができていないため、大損失がでている。 ・DVDの売り上げも現場には下りてこない。 ●アニメ会社の社員の問題 ・労働基準法や雇用保険法、個人で加入できる映労連などの労働組合など、会社で働くうえで知っておくべき法律や知識を知 らない。 ・過酷な労働条件でも構わないという社員しか採用されない。 ・仕事が忙しすぎて、違法な労働条件を訴える暇がない、もしくは、訴える前に辞めてしまう。 ・内気な性格の人が多いため、会社や世間に対し声を上げる人がいない。 ●マスコミの問題 ・最近では、海外で日本のアニメが人気という報道は大々的にされる一方、日本のアニメ会社の実態があまり報道されない。実 際、現場では海外で日本アニメが人気という認識は薄い。 ・過酷な労働条件で頑張る社員を報道するだけで、辞めていく社員の退職理由などは報道されない。 以上のように、アニメ産業を取り巻く内と外の問題が複雑に絡み合っているため、これら全ての要因を改善しない限り、現状は改善されないのです。
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