理学療法士と作業療法士の違いを初心者にどう説明しますか？ 具体的な分野の違いなどだけではなく、精神性や考え方の違いなど…

Question

理学療法士と作業療法士の違いを初心者にどう説明しますか？
具体的な分野の違いなどだけではなく、精神性や考え方の違いなども含めて。

Answer 1

理学療法士は理学療法を行うと明言して良い人ですし，作業療法士は作業療法を行うと明言して良い人です．法的にはどちらも名称独占ですから，それ以上の違いもそれ以下の違いもないと思われます．
ただ質問は，「士」の違いとありますが，「理学療法」と「作業療法」の違いを尋ねていると解釈しても良いでしょうか？
それならば話は別です．
治療コンセプトやその方法の違いを尋ねているのでしょう．
私はよくビルを建設する場面を例にお話をします．
地盤を固め，鉄骨で杭をうち，柱や構造を組み立てていく．これが理学療法．そこに人がどのように生活し，仕事をし，人の導線や生産性の向上をどのように引き出して行くのかが作業療法．そのビルが何を目的に建設するのか，社会にどのように役立てるのか，それらをあらかじめ明確にして互いの共通認識にする．どういう手順でいつまでに建設するのかを統一した目標としてそれぞれの役割を遂行していく．
学生の父母などにこのような内容で講演するときは，さらに具体的な事例をあげます．たとえば，転倒による大腿骨頸部骨折．通常は部分負荷をかけながら骨癒合を待ち，健側筋力トレーニングなどを行っていきますね．そして立位や歩行を進めていきますが，これが理学療法．しかし大腿骨頸部骨折の作業療法はあまり聞いたことがありません．しかし重要です．掃除するときの骨折下肢の使い方，洗濯をして湿った重いものを物干し竿にかけるとき（たいてい両手動作になりますね）の体重移動のしかた，日常生活をより安全かつＱＯＬの高いものにするには作業療法のそのようなアプローチが必須です．
そのような役割分担があり，協力協同して一つの立派なビルが建設されていくと考えています．